AI研修公開

Geminiで業務効率化するやり方|中小企業がGoogle Workspaceで業務活用する8ステップとそのまま使えるプロンプト

会議室で、社員たちがノートPCを前に座り、講師が正面の画面の表を指しながら説明している様子

「Google Workspace にGeminiが付いたと聞いた。でも、Gmailの右上のアイコンを何人かが触っただけで、仕事のやり方は何も変わっていない。」この記事は、そこから毎日の仕事で使う所まで進める手順です。

GeminiはChatGPTやClaudeと違い、ふだん使っているGmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meetの中に入っているAIです。そのぶん、効かせるには順番があります。プランで使える場所を確かめ、管理コンソールで使う人を決め、ドライブの共有を見直します。そのあとでアプリごとに最初の業務を決め、会社の決まりを「カスタム指示」と「スキル」に入れ、社員が段階を分けて練習します。

この流れを8つのステップで解説し、Gmail・Meet・スプレッドシートにそのまま貼れるプロンプトを紹介します。機能・設定・データの扱いは、2026年10月23日にGoogleの公式ページとヘルプで確かめたものだけです。社員がこの使い方を覚えて自社の仕事で回せるようにする研修は、シス学 AI研修で行っています。

なぜGeminiが付いていても、仕事の時間が減らないのか

Google Workspace でGeminiが使われない理由と、この記事で扱うステップは次のとおりです。

Geminiで止まる理由と、この記事で扱うステップ
止まり方起きていること扱うステップ
「ドキュメントで使えない」と言われるBusiness Starter では、ドキュメント・スプレッドシート・ドライブ・Meet・Chat の中の Gemini は使えない(料金ページの比較表)Step 1
社員が個人のGoogleアカウントで使う個人のアカウントには会社の契約とは別の規約が当てはまり、チャットを人が確認する場合がある(管理者ヘルプ)Step 2・4
見せたくない資料まで答えに出てくるGemini は、その人がアクセスできる資料を読んで答える。「リンクを知っている全員」で共有した資料も対象になるStep 3
毎回、会社の説明から打ち込むカスタム指示やスキルに、会社の決まりを入れていないStep 6
使う人と使わない人に分かれる配っただけで、練習の場がないStep 7・8

練習の場の有無では、公的な数字があります。2026年版中小企業白書の本文(第2-2-91図)で、AIの活用に取り組んだ中小企業に効果を聞いた結果です。社員向けの研修や勉強会をしている会社で「想定した効果が得られなかった」は8.6%(920社)でした。していない会社では16.1%(789社)と、2倍近くでした。

Geminiを業務で使う8ステップ

8つのステップは、3か月に分けて進めます。1か月目に設定とルール、2か月目に業務と研修、3か月目に使われ方を見て広げます。

8ステップの進め方(3か月の目安)
時期ステップ終わったときの状態
1か月目Step 1〜4(プラン、管理コンソール、ドライブの共有、ルール)会社のアカウントだけで、決めた人がGeminiを使える
2か月目Step 5〜7(最初の業務、カスタム指示とスキル、研修)アプリごとに3つの業務で、決まった頼み方ができる
3か月目Step 8(レポートと記録)続ける業務・やめる業務と、次に使う人が決まっている

Step 1:今のプランで、Geminiを使える場所を確かめる

Google Workspace のどのプランにも Gemini は入っていますが、使える場所はプランで違います。料金ページのプラン紹介では、Starter の Gemini は2つです。「Gmail の Gemini AI アシスタント」と「Gemini AI とのチャット」です。同じページの比較表と対応言語のヘルプで、もう少し細かく確かめた内容が次の表です。料金は、法人向け生成AIの料金比較で4社を並べています。

プランごとの Gemini の使える場所(Google Workspace 料金ページの比較表・対応言語のヘルプ。2026年10月23日に確認)
使う場所Business StarterBusiness Standard・Plus日本語
Gmail(要約・下書き・検索)使える使える対応(校正は英語・スペイン語のみ)
ドキュメント・スプレッドシート・スライド使えない使えるサイドパネル・文書作成サポート・AI 関数に対応
ドライブ(ファイルの検索・要約)使えない使えるサイドパネルに対応
Meet(自動メモ生成など)使えない使える自動メモ生成に対応
Chat使えない使えるサイドパネル・要約に対応
Gemini アプリ(gemini.google.com)基本的なアクセス(最も高性能なモデルは使えない)より広いアクセス対応
Gemini Notebook(資料を読ませて質問する)基本的なアクセスより広いアクセス-
スキルによるカスタマイズ・Workspace Studio使える使えるWorkspace Studio は対応

Starter の会社で「議事録や報告書にも使いたい」なら、Standard 以上が要ります。今のプラン名は、管理コンソールか請求書で確かめます。対応言語のヘルプには、一覧にない機能は英語のみとあります。研修で画面を見せる前に、使う機能が日本語に対応しているかを確かめます。

Step 2:管理コンソールで、使う人と会話の保存を決める

設定は、Google 管理コンソールの「生成 AI」の中にまとまっています。変更には、Gemini の「設定」管理者権限が要ります。中小企業で最初に決める項目は次のとおりです。

最初に決める管理コンソールの設定(Google Workspace 管理者ヘルプ。2026年10月23日に確認)
決めること場所公式の説明
Gemini アプリを使える人生成 AI → Gemini アプリ →「サービスのステータス」全員オン・オフのほか、組織部門(部署)やグループごとに設定できる。グループの設定が優先。反映は最長で約24時間
会話を残す期間生成 AI → Gemini アプリ →「Gemini 会話履歴」3か月・18か月・36か月から選ぶ(既定は18か月)。オフにすると、Gmail・ドライブなどとの連携も使えなくなる。反映は最長で約72時間
Gemini アプリから Gmail・ドライブ・カレンダーを読むか生成 AI → Gemini アプリ →「アプリ」既定はオン。組織部門・グループごとに変えられる
Gem を社内で共有できるか生成 AI → Gemini アプリ →「Gem の共有」Gem はドライブで共有されるため、ドライブの外部共有の設定がそのまま当てはまる
使われ方を見る生成 AI →「Gemini レポート」Business Starter・Standard・Plus も対象。Step 8 で使う

Gmail やドキュメントの中の Gemini をアプリごとにオン・オフする設定もあります(「機能へのアクセス」)。ただしヘルプでは対象は Enterprise Standard・Enterprise Plus などで、Business のプランは入っていません。しかも、あるアプリで止めても、別のアプリの Gemini からそのデータに質問できる、とヘルプにあります。Business のプランでは、「Gemini アプリを誰に使わせるか」と「どの資料を誰に見せるか(Step 3)」で範囲を決めます。

あわせて、社員の個人の Google アカウントで仕事の情報を扱わないことを決めます。管理者ヘルプでは、対象のプランでないアカウントには、Google 利用規約と Gemini アプリのプライバシーに関するお知らせが当てはまります。そのチャットは人間のレビュアーが確認し、Google のサービスや機械学習技術の改善に使う場合がある、とも書かれています。3社の公式の説明の違いは、Claudeで業務効率化するやり方の「Claude・ChatGPT・Geminiのデータの扱いの違い」で並べています。

Step 3:ドライブの共有の設定を見直す

Google の「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」を見てみます。Gemini は、その人がアクセスできる Workspace の中の内容を取得して答える、とあります。アクセスできないドキュメントやメールは取得しません。つまり、共有の設定が広すぎる資料は、Gemini の答えにも出てくるということです。入れる前に、次の点を確かめます。

Gemini を使い始める前の、ドライブの共有の点検表
確かめること見る場所・やり方
給与・人事評価・決算の資料が「リンクを知っている全員」になっていないかドライブで資料を開き「共有」を押して、一般的なアクセスを見る。必要な人だけに直す
退職した人・休職中の人のアカウントが残っていないか管理コンソールのユーザーの一覧で、使っていないアカウントを止める
共有ドライブのメンバーが広すぎないか部署の共有ドライブごとに、メンバーと権限(閲覧者・編集者)を一覧にする
社外と共有している資料に社外秘が混ざっていないか社外の人を含むフォルダを洗い出し、社外秘を別のフォルダに移す。社外と共有中の文書では、サイドパネルに「ドメイン外」の表示が出て、プロンプトと AI の文が社外の人に見える場合がある(プライバシー ハブ)
どうしても読ませたくない資料ダウンロード・コピー・印刷を止める設定(Information Rights Management)を使う。この制限で、Gemini のアクセスも止められる(プライバシー ハブ)

Meet の自動メモにも共有の決まりがあります。メモの共有先は、主催者が次の3つから選びます。「すべての招待済みゲスト(組織外のユーザーも含む)」「組織内の招待済みゲスト」「主催者と共同主催者のみ」です。ヘルプでは、「招待済みゲスト」は実際に参加した人ではなく、カレンダーの招待状に入っている全員を指します。

もう1つ、画面に10秒以上映した資料は、スクリーンショットとしてメモに入る場合があります。社外の人がいる会議では、共有先をまず「主催者と共同主催者のみ」にして、確かめてから共有します。機密の話に入るときは、主催者の組織内の参加者がメモを止められます(主催者向けの設定がオンなら、主催者と共同主催者だけ)。

Step 4:社内ルールを1枚にする

Gemini を使い始める日に、次の7行を社員に配ります。〔 〕は自社に合わせて書きかえます。後半の3行は、Google のヘルプに書かれた Gmail・Meet・フィードバックの扱いをルールにしたものです。

  1. 仕事で使うのは、会社の〔Google Workspace〕のアカウントだけ。個人の Google アカウントで仕事の情報を入れない
  2. 入れてよいのは、ふだんドライブで扱っている仕事の資料と、名前や金額を〔A社〕〔金額〕に置き換えた文。マイナンバー・健康の情報・パスワード・口座番号は入れない
  3. 社外に出すメール・文書の数字・日付・名前は、〔担当者〕が元の資料と突き合わせてから出す
  4. 資料を共有するときは「リンクを知っている全員」を使わない。必要な人だけに共有する
  5. Gmail で Gemini にメールの削除・アーカイブ・ラベル付けを頼んだら、確認の画面で対象のメールを見てから確定する(確定から60秒以内なら元に戻せる)
  6. Meet の自動メモを始めるときは、会議の最初に参加者に伝える。社外の人がいる会議では、共有先を「主催者と共同主催者のみ」にする
  7. 「役に立たなかった」などのフィードバックには個人情報・社外秘を書かず、プロンプトと出力を共有するチェックを外して送る

最後の行は、プライバシー ハブとヘルプの説明にもとづきます。フィードバックは Workspace の生成 AI モデルのトレーニングには使われません。ただし、チェックを入れたままだと、プロンプトや元の文書、出力も一緒に送られます。スプレッドシートの AI 関数のヘルプも、フィードバックは人が読む場合があるので、個人情報や機密を含めないよう求めています。

2行目は、個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日)に沿ったものです。委員会は、個人情報を含むプロンプトを入れるときは、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確かめるよう求めています。本人の同意なく個人データを入れる場合は、提供する事業者がそのデータを機械学習に使わないこと等を十分に確かめるよう求めています。Workspace について、Google はプライバシー ハブで、事前の許可や指示なしにお客様データをモデルのトレーニングに使わないと説明しています。会社として決める項目の全体は、生成AIの社内ルールの作り方で解説しています。

Step 5:アプリごとに、最初の業務を決める

Gemini は、仕事をしている画面の右上の「Gemini に相談」から呼び出せます。最初の業務は、毎週くり返す・元になるメールや資料がある・間違えても社内で止められるものから、アプリごとに1つずつ選びます。

アプリごとの最初の業務の候補(公式ヘルプにある機能から)
アプリ業務使う機能人が確かめること
Gmail長いやり取りの要点と、返信の下書きサイドパネルの要約・下書き日付・数量・約束。送るかは担当者が決める
Gmail返事をしていない依頼の洗い出しサイドパネルで受信トレイに質問する漏れがないか。一覧にないメールも受信トレイで見る
Meet会議の決定事項と宿題自動メモ生成(メモはドキュメントで主催者のドライブの「Google Meet」フォルダに保存)宿題の担当と期限を本人に確かめる
ドキュメント社内の報告書・お知らせの下書きサイドパネルで「@ファイル名」を付けて資料を指定する数字を元の資料と突き合わせる
スプレッドシート問い合わせ・アンケートの分類と要約AI 関数(=AI() または =Gemini())分類を20件ほど抜き取りで見直す
Gemini アプリ画面の手順書の下書きスクリーンショットを添付して手順に起こす現場の1人に、手順どおりに操作してもらう

公式ヘルプに書かれた、それぞれの機能の決まりも押さえておきます。

  • Gmail:メールの削除・アーカイブ・ラベル付けなどは、利用者が確定するまで実行されない。確定から60秒を過ぎるか、次の依頼を送ると元に戻せない
  • Meet:自動メモ生成は15分から8時間までの会議向けで、1つの会議で1つの言語にだけ対応する。要約が不完全・不正確な場合がある
  • スプレッドシート:AI 関数は、指定した範囲のほか、Google 検索から最新の情報を取って答えることがある。シート全体やドライブの他のファイルは読めない
  • スプレッドシート(続き):1回に生成されるのは、選んだ最初の350セルまで。元に戻す・やり直すはできない(出し直しはできる)
  • ドキュメント:サイドパネルからドライブのファイルの移動・名前の変更・共有もできる。確定する前に中身を確かめるよう求めている

議事録のまとめ方の細かい手順は議事録をAIで作るやり方、手順書の作り方と確かめ方はマニュアル作成にAIを使う方法で解説しています。

Step 6:カスタム指示とスキル(Gem)で、会社の決まりを覚えさせる

毎回の説明をなくす方法は2つあります。1つ目はカスタム指示です。ドキュメントなどのサイドパネルで、メニュー →「設定」→「パーソナライズ」から追加します。ヘルプでは、指示は Chat・ドキュメント・ドライブ・Gmail・スライドで共有され、1,000件まで追加できます。書く観点の例は「役割」「トーン」「コンテンツ」「形式」の4つです。Gemini アプリのカスタム指示とは別のもので、同期されません。

2つ目は、業務ごとの指示をまとめたスキル(これまでの Gem)です。Google は Gem からスキルへの移行を進めています。管理者ヘルプ「Gem からスキルへの移行について」(2026年9月30日更新)の主な日付は次のとおりです。

Gem からスキルへの移行の日程(Google Workspace 管理者ヘルプ。2026年10月23日に確認)
日付起きること
2026年10月5日〜Workspace でスキルの展開が始まる(即時リリースのドメインは10月12日までに完了。計画的リリースのドメインは10月19日から11月中旬まで)
2026年10月13日〜Gemini アプリでスキルの展開が始まる(11月中旬までに完了予定)。Gem とスキルの両方を作って使える
2026年11月17日Gem は Gemini アプリの「設定」に移る。引き続き作成・編集・使用できる
2027年3月1日以降(ビジネスとエンタープライズ)Gem の作成・編集・使用ができなくなる。「Gem に質問」の手順を含む Workspace Studio の自動の流れも動かなくなる。Gemini アプリに残った Gem は、下書きのスキルに自動で移る

ヘルプによると、スキルはチャットで「/」(今後「@」に変わる予定)と名前を打って呼び出します。1つの依頼で複数を組み合わせることもできます。ただし今は、Gemini アプリのスキルと Workspace のスキルは同期されません。Workspace で使っている Gem は、Google Workspace Studio で手で作り直す必要があります。

そこで、業務ごとの指示の原本は Google ドキュメントに1つずつ書いておくのが確実です。Gem でもスキルでも、そこから貼り直せます。ドキュメントのサイドパネルの「ツール」→「スキルビルダー」でも、スキルを作れます。ドキュメントを直したあと、Workspace Studio の側で「ドキュメントとの同期」を押せば反映できます。

Step 7:社員研修を3段階に分ける

Gemini の研修は、使う立場で3段階に分けます。演習の題材は、自社のメール・会議・表です(名前と金額は伏せる)。

Gemini 研修の3段階(例)
段階対象練習すること終わったときにできること
初級全員Gmail の要約と返信の下書き、Meet の自動メモの始め方と共有先、頼み方の4つの要素(ペルソナ・タスク・背景情報・形式)、Step 4 のルール自分のメール1本を、Gemini の下書きから送れる
中級部署ごとの中心の人部署の業務のプロンプト、スプレッドシートの AI 関数、カスタム指示とスキルの作り方部署の業務を1つ、決まった頼み方で回せる
管理者管理者・推進役管理コンソールの設定(Step 2)、ドライブの共有の点検(Step 3)、Gemini レポートの見方(Step 8)使われ方を月に1回まとめ、社長に報告できる

頼み方の4つの要素は、Google の公式ページ「効果的なプロンプトの書き方」が挙げているものです。同じページは、次のようなコツも紹介しています。

  • 人に話しかけるように、完全な文で書く
  • うまくいかなければ、会話で指示を足していく
  • ドライブの自分のファイルを「@ファイル名」で指定する
  • Gemini アプリに「これを効果の高いプロンプトにしてください:」と頼んで、頼み方を直してもらう

研修のあとは、月に1回30分、うまくいった頼み方を見せ合う場を作ります。社内で研修を回す手順と時間割の例は、AI社内研修のやり方にまとめています。

Step 8:Gemini レポートと時間の記録で、使われ方を見て広げる

管理コンソールの「生成 AI」→「Gemini レポート」で、使われ方を数字で見られます。ヘルプにある主な項目は次のとおりです。

  • 組織レベル:Gemini のアクティブユーザー数と、対象ライセンスを持つ人に占める割合、1日あたりの使用量、アプリごと・機能ごとの使用状況
  • ユーザーレベル:使用レベル(高・中・低・ゼロ)、過去28日間のアクティブな日数、アプリごとの使用レベル
  • 期間と絞り込み:過去7日・28日・90日(既定は28日)。組織部門・グループで絞り込める。最新のデータの反映には2〜3日かかることがある

レポートでわかるのは「使ったかどうか」までです。時間が減ったかは、Step 5 で選んだ業務ごとに記録して比べます。記録するのは、使う前と後の「1件にかかる時間」と「確認で直した所の数」です。使用レベルが「ゼロ」の人には、使い方が分からないのか、業務に合わないのかを本人に聞きます。答えに応じて、初級の研修か業務の選び直しにつなげます。

そのまま使えるプロンプト

Gmail・ドキュメントなどの「Gemini に相談」のサイドパネルか、Gemini アプリに、そのまま貼って使える文例です。〔 〕の中を自社の内容に置き換えてください。どれも、Google が挙げる4つの要素(ペルソナ・タスク・背景情報・形式)で組んでいます。

プロンプト1:長いメールのやり取りを要約し、返信の下書きを作る(Gmail)

プロンプト2:返事をしていない依頼を一覧にする(Gmail)

プロンプト3:会議の自動メモから、決定事項と宿題の表を作る(Meet → ドキュメント)

プロンプト4:社内の資料を指定して、報告書の下書きを作る(ドキュメント)

プロンプト5:問い合わせを分類し、要点を1行にする(スプレッドシートの AI 関数)

B列に問い合わせの本文が入っている表で、C2〜E2に次の式を入れ、下の行にコピーします。式を入れたセルを選び、「生成して挿入」を押すと結果が入ります。

  • C2(分類):=AI("次の問い合わせを「見積依頼」「納期の確認」「不具合・クレーム」「その他」のどれか1つに分類し、分類名だけを出力して。", B2)
  • D2(要点):=AI("次の問い合わせの要点を、30字以内の1文で書いて。名前と電話番号は書かないで。", B2)
  • E2(急ぎかどうか):=AI("次の問い合わせに、今日中の対応を求める表現があれば「急ぎ」、なければ「通常」とだけ出力して。", B2)

プロンプト6:画面のスクリーンショットから、手順書の下書きを作る(Gemini アプリ)

プロンプト7:会社の文章の決まりを、カスタム指示に入れる(Step 6)

プロンプト8:研修の演習用。自分の仕事を、Gemini を使う場所に割り当てる(Step 7)

部署ごとのプロンプト(営業・経理・総務・人事)は、業務効率化×AI プロンプト&事例15選にまとめています。Gemini のサイドパネルでも同じ文例が使えます。

Gemini を使う場所の選び方

同じ Gemini でも、呼び出す場所で読める情報と向いている仕事が違います。公式ヘルプの説明をもとに並べました。

Gemini を使う場所と向いている仕事(Google の公式ヘルプ。2026年10月23日に確認)
場所向いている仕事読める情報気をつけること
Gmail・ドキュメントなどのサイドパネル開いているメールや文書の要約・下書き開いている画面と、「@ファイル名」などで指定した資料。その人がアクセスできるものだけカスタム指示はこの場所どうしで共有される
スプレッドシートの AI 関数1行ずつの分類・要約・文の生成式で指定した範囲と、Google 検索の最新の情報元に戻せない。1回に生成されるのは最初の350セル
Meet の自動メモ生成会議の決定事項と宿題会議の音声(1会議1言語)と、10秒以上映した資料の画面15分から8時間までの会議向け。要約が不正確な場合がある
Gemini アプリ(gemini.google.com)考えの整理、画像を読ませた下書き、複数のアプリをまたぐ質問入れた文やファイル。設定がオンなら Gmail・ドライブ・カレンダーなど会話履歴をオフにすると、Workspace アプリとの連携が使えない
Gemini Notebook(旧称 NotebookLM)規程や手順書を読ませて質問に答えるノートブックに入れた資料答えの材料は入れた資料だけ。使い方の手順とプロンプトはGemini Notebook(旧 NotebookLM)の業務活用、社内の質問窓口づくりは社内FAQをAIで作るやり方
Google Workspace StudioAI エージェントで決まった流れを自動にする流れの中で指定したアプリの情報自動にする前に、確認の担当と手順を決める

Gmail やドキュメントの中の Gemini は、メールや資料を別のAIに貼り付け直す手間がありません。その分、読ませる範囲は共有の設定で決まるので、Step 3 の点検が先になります。仕事を最後まで進めるAIの考え方は、AIエージェントとは?で解説しています。

Gemini を業務で使うときによくある失敗

失敗1:社員が個人の Google アカウントで使う

個人の Gmail で Gemini を使うと、会社の契約とは別の規約が当てはまります。チャットを人のレビュアーが確認する場合があり、管理者は何を入れたかを把握できません。対策:Step 4 のルールの1行目に書きます。会社のアカウントで同じことができることを、初級の研修の最初に見せます。

失敗2:Business Starter のまま「Gemini は使えない」と決めてしまう

Starter で使えるのは、Gmail の中の Gemini と、Gemini アプリの基本的なアクセスなどです。ドキュメントや Meet の中では使えません。対策:Step 1 の表で、試したい業務がどのプランで使えるかを先に確かめます。Standard に変えるかどうかは、使う人数と業務を決めてから判断します。

失敗3:共有の設定を見直さずに使い始める

「リンクを知っている全員」で共有した給与や評価の資料は、社員がアクセスできる資料です。そのため、Gemini の答えの材料にもなり得ます。対策:Step 3 の点検表を、使い始める前に一度通します。退職者のアカウントも同じ日に止めます。

失敗4:Gem に会社の指示を作り込み、原本を残していない

ビジネスとエンタープライズのプランでは、2027年3月1日以降、Gem の作成・編集・使用ができなくなります。Workspace で使っている Gem は、手で作り直す必要があります。対策:業務ごとの指示の原本を Google ドキュメントに残し、担当者と更新日を書いておきます。

失敗5:Meet の自動メモを確かめずに配る

ヘルプには、接続の問題や15分に満たない会議などで、要約が不完全・不正確になる場合があるとあります。複数の言語が混ざる会議にも対応していません。対策:宿題の担当と期限は、主催者が本人に確かめてから配ります(プロンプト3の「要確認」を使う)。社外の人がいる会議では、共有先を「主催者と共同主催者のみ」から始めます。

失敗6:配って終わりにし、使われ方を見ない

Gemini は画面に最初から入っているので、配った日に「導入済み」と扱われやすい道具です。対策:Step 8 の Gemini レポートを月に1回見て、使用レベルが「ゼロ」の人に理由を聞きます。うまくいった頼み方は、カスタム指示かスキルの原本に足して、全員が使えるようにします。

シス学の場合|Gemini に任せる仕事を「作業・確認・判断」に分けて、社員が回せる形にする

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。Gemini を使う仕事も、「作業・確認・判断」に分けて、誰が受け持つかを決めます。Meet の会議から宿題の連絡までを例にすると、次のとおりです。

会議のあとの宿題の連絡の分け方
任せ先受け持つ仕事中身
AI(Gemini)作業自動メモ生成で会議メモを作り、決定事項・宿題・決まっていないことの表と、宿題の連絡文の下書きを作る
社員(会議の主催者)確認宿題の担当と期限を本人に確かめ、メモの共有先が正しいかを見てから送る
社長判断「決まっていないこと」の方針と、宿題の優先順位を決める

これは、シス学の3つのシのうち「時間創出」にあたります。会議のあとに社長がしていたまとめと連絡を、AIと社員に渡します。社長が決めたことは次の会議のメモに残るので、同じ話をくり返さずに済みます。

シス学 AI研修では、自社のメール・会議・表を題材に、社員が自分の業務を Gemini などのAIで終わらせるところまで練習します。研修後のルールと質問窓口まで整えます。

研修は、条件を満たせば厚生労働省の人材開発支援助成金の対象となる場合があります。対象になるかどうかは労働局の審査で決まり、受給を保証するものではありません。対象は雇用保険の被保険者です。計画届は研修開始の1か月前まで(6か月前から)に出し、受講料はいったん全額を会社が支払います。助成金の有無で受講料は変わりません。事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度末までの時限措置です。詳しくはAI研修に使える助成金をご覧ください。

料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。まずは無料相談から、30分の無料相談を予約してください。

まとめ

  • Gemini の業務利用は「使える場所 → 管理コンソール → ドライブの共有 → ルール1枚 → アプリごとの業務 → カスタム指示とスキル → 3段階の研修 → レポート」の順で進める
  • Business Starter で使えるのは Gmail の中の Gemini と Gemini アプリの基本的なアクセスなど。ドキュメント・Meet などは Standard 以上(2026年10月23日に公式ページで確認)
  • Gemini はその人がアクセスできる資料を読んで答える。使い始める前に、共有の設定を見直す
  • 会社の決まりはカスタム指示とスキルに入れる。Gem は2027年3月1日以降(ビジネスとエンタープライズ)使えなくなるので、指示の原本はドキュメントに残す
  • 数字・日付・名前・宿題の担当は、社員が元のメールや資料と突き合わせてから外に出す

まずは明日、管理者が管理コンソールで今のプラン名を確かめます。次に、自分の受信トレイの長いやり取りを1本開き、プロンプト1を Gmail のサイドパネルに貼ってみてください。出てきた要点と下書きを元のメールと突き合わせた時間が、自社で Gemini を使う出発点になります。

よくある質問

無料の Gemini(個人の Google アカウント)で業務に使ってもよいですか?

おすすめしません。Google の管理者ヘルプでは、対象のプランでないアカウントには、Google 利用規約などが当てはまります。そのチャットは、人間のレビュアーが確認し、サービスの改善に使う場合があります。会社の Google Workspace のアカウントなら、内容を人間がレビューしません。許可なくモデルのトレーニングにも使わない、と Google は説明しています。管理者が使う人や会話の保存期間も決められます(2026年10月23日に確認)。

Google Workspace Business Starter でも、Gemini を業務に使えますか?

使える範囲があります。料金ページのプラン紹介では、Starter の Gemini は「Gmail の Gemini AI アシスタント」と「Gemini AI とのチャット」です。比較表では、Gemini Notebook(基本的なアクセス)、スキル、Workspace Studio、Vids も Starter で使えます。ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の中の Gemini は、Business Standard 以上です。料金は[法人向け生成AIの料金比較](/column/hojin-seisei-ai-hikaku)で並べています。

Gemini に入れた社内の情報は、AIの学習に使われますか?

Google Workspace の会社のアカウントなら、使われません。Google は、事前の許可や指示なしにお客様のデータをモデルのトレーニングに使わない、と説明しています。人間によるレビューもありません。ただし、フィードバックを送るときにプロンプトと出力を共有するチェックが入っていると、それらも Google に送られます。個人情報や社外秘を書かず、チェックを外して送ります。

Gemini の研修は、何から始めればよいですか?

全員向けの初級から始めます。練習するのは、Gmail の要約と返信の下書き、Meet の自動メモの始め方と共有先、頼み方の4つの要素、社内ルールの4つです。題材は自社のメールや会議です。そのあと、部署の中心の人向けの中級(プロンプト・AI 関数・カスタム指示とスキル)に進みます。管理者向けには、管理コンソール・共有の点検・Gemini レポートを別に扱います。

作った Gem は、これからも使えますか?

Google の管理者ヘルプでは、ビジネスとエンタープライズのプランは、2027年3月1日以降、Gem の作成・編集・使用ができなくなります。Gemini アプリに残っている Gem は、下書きのスキルに自動で移ります。Workspace で使っている Gem は、Google Workspace Studio で手で作り直す必要があります。指示の原本を Google ドキュメントに残しておくと、移すときに困りません。

Gemini は日本語で使えますか?

主な機能は日本語に対応しています。Google のヘルプで日本語に対応しているのは、Gmail の要約・下書き、ドキュメント・スプレッドシートのサイドパネルなどです。AI 関数、Meet の自動メモ生成、Workspace Studio も対応しています。一方、Gmail の校正は英語とスペイン語のみで、一覧にない機能は英語のみです。Meet の自動メモは、1つの会議で1つの言語にだけ対応します。

出典・参考

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