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議事録をAIで「決定事項と宿題」まで整理するやり方|7ステップとそのまま使えるプロンプト

会議室で、社員たちがノートPCを前に座り、講師が正面の画面の表を指しながら説明している様子

会議が終わってから、議事録を書くのにまた1時間。書いた人のメモによって中身が変わり、「結局、誰がいつまでにやるんだっけ?」が次の会議まで決まらない。中小企業でよく聞く悩みです。

議事録は、AIに任せやすい仕事の一つです。会議を録音して文字に起こし、その文字をChatGPTなどの生成AIに渡せば、要約と決定事項、宿題(誰が・いつまで)の下書きまでは短い時間でできます。ただし、AIが作った下書きをそのまま配ると、言っていないことが書かれていたり、期限が抜けていたりします。

この記事では、録音から文字起こし、AIでの整理、社員の確認、社長の判断までを7つのステップで解説し、そのまま貼って使えるプロンプトを紹介します。社員がこの使い方を覚えて、自社の会議で回せるようにする研修は、シス学 AI研修で行っています。

なぜ議事録は、社長と社員の時間を取るのか

議事録が重いのは、書く作業そのものより、会議の中と後の両方で手が取られるからです。

  • 会議の中:書記の社員はメモに追われ、話し合いに加われない
  • 会議の後:メモを清書し、聞き漏らした所を参加者に聞き直す
  • 社長の手直し:最後に社長が読んで、決まったことの書き方を直す
  • 宿題があいまい:「検討する」で終わり、誰がいつまでにやるかが書かれていない。次の会議で同じ話をくり返す

議事録をAIで作る7ステップ

流れは「録音 → 文字起こし → AIで整理 → 社員が確認 → 社長が判断」です。録音の前の準備と、AIに渡す前の確認を加えて、7つのステップにしました。

Step 1:録音の前に、目的を伝えて了承をもらう

会議の冒頭で、「議事録を作るために録音し、AIで文字に起こします。録音は議事録ができたら〔消す/〇か月保存する〕予定です」と伝え、参加者の了承をもらいます。反対する人がいれば、その会議は録音せず、メモで残します。

録音した声は、名前が入っているなどで特定の人が分かる場合、個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人情報の例として「本人の氏名が含まれる等の理由により、特定の個人を識別できる音声録音情報」を挙げています。また、個人情報保護法第21条第1項は、個人情報を取得したときの決まりを定めています。あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知するか、公表しなければなりません。冒頭で目的を伝えるのは、この点からも意味があります。

Web会議の文字起こし機能には、参加者に知らせる仕組みがあるものもあります。Microsoft Teamsの公式ヘルプには、文字起こしが始まるとすべての参加者に通知されると書かれています。Google Meetの公式ヘルプには、文字起こしがオンになると参加者全員の画面にアイコンが表示されるとあります。それでも、画面の表示だけに頼らず、口でも伝えるのが確実です。

Step 2:聞き取りやすい音で録音する

文字起こしの出来は、録音の音で決まります。Zoomの公式ヘルプは、文字起こしのコツとして次の点を挙げています。

  • まわりの雑音をできるだけ減らす
  • 参加者にマイクに向かってはっきり話してもらい、紙の音や大きなキーの音、横での私語を控えてもらう
  • よく話す人の近くにマイクを置く
  • パソコンに付いているマイクより、外付けのマイクを使う

あわせて、会議の最初に参加者が一言ずつ名乗ると、AIが発言者を分けやすくなります。対面の会議なら、マイクを机の真ん中に置き、話す人が重ならないように進行役が順番を回します。

Step 3:文字起こしをする

Web会議なら、会議の道具に付いている文字起こし機能が使えます。使えるかどうかは、契約しているプランと、会社の管理者の設定で変わります。主な3つの機能を、各社の公式ヘルプで確かめた内容でまとめました(2026年10月23日に確認)。

Web会議の文字起こし機能(各社の公式ヘルプより。2026年10月23日に確認)
機能公式ヘルプに書かれていること日本語にするときの注意
Zoom(クラウド録画の音声トランスクリプト)クラウドに録画した会議の音声を文字にし、録画の一覧にVTT形式のファイルとして出る。使えるのはPro・Business・Education・Enterpriseのアカウント。クラウド録画と音声トランスクリプトの両方が有効になっていることも必要。Webポータルで文字を直せる初期設定では英語で作られる。録画ごとに言語を日本語に変えると、作り直される
Microsoft Teams(会議のトランスクリプト)会議の開催者と、同じ組織の参加者が開始・停止できる(別の組織の人や匿名の参加者はできない)。始まるとすべての参加者に通知される。トランスクリプトは開催者のOneDrive for Businessに保存され、会議のチャットと「要約」タブから見られる「話し言葉」の設定を、会議で話している言語(日本語)に合わせる
Google Meet(文字起こし)Business Standard、Business Plus、Enterprise Starter、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Teaching and Learning Upgrade、Education Plus、Workspace Individualで使える。オンにすると参加者全員の画面にアイコンが出る。主催者のGoogleドライブに保存される日本語は対応言語に含まれている。使えるのはパソコンとAndroidの端末だけ

対面の会議を録音した場合は、録音した音声を文字にするアプリやサービスを使います。どれを使う場合も、録音や文字がどこに保存されるのか、入れた内容がAIの学習に使われるのかを、利用規約やプライバシーポリシーで確かめてから決めます。この記事では、特定の製品はおすすめしません。

Step 4:AIに渡す前に、入れてはいけない情報を消す

文字起こしには、会議で話したことがすべて入っています。顧客の名前や連絡先、社員の健康や家庭の事情、取引先から預かった数字などが混ざっていないかを、AIに渡す前に確かめます。

個人情報保護委員会は、会社が生成AIに個人情報を含むプロンプトを入れるなら、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確かめるよう呼びかけています。本人の同意なく個人データを入れ、それが応答を出す以外の目的で扱われると、法律に違反するおそれがあります。そのため、サービスの提供者がデータを機械学習に使わないことなどを、十分に確かめるよう求めています。

会社の秘密も同じです。総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIを使う事業者に向けた注意を挙げています。個人情報や機密情報などを、AIサービスに不適切に入力しないことです。迷う情報は〔顧客A〕〔金額〕のように空欄に置き換えてから渡し、議事録ができた後に人が書き戻します。

Step 5:AIで「要約・決定事項・宿題」に整理する

文字起こしをAIに貼り、議事録の形を指定して整理させます。大事なのは、文字起こしに書かれていないことを書かせないことです。AIは、話の流れからもっともらしい期限や担当者を補ってしまうことがあります。「書かれていない所は『要確認』と書く」と、プロンプトで先に決めておきます。使えるプロンプトは、次の章にまとめました。

宿題は、「誰が」「何を」「いつまでに」の3つがそろって、はじめて宿題になります。3つのどれかが空いているものは、AIに「要確認」の印を付けさせ、次のステップで社員が埋めます。

Step 6:社員が、文字起こしと突き合わせて確認する

AIの下書きは、書記の社員か、会議に出ていた担当者が確かめます。見るのは次の点です。

  • 決定事項に、会議で決まっていないことが入っていないか(「検討する」が「決定」になっていないか)
  • 宿題の担当者と期限が、会議で言ったとおりか。「要確認」の所を、本人に聞いて埋めたか
  • 数字、日付、固有名詞(商品名・取引先名)が正しいか
  • Step 4で空欄にした所を、正しく書き戻したか
  • 社外の人に配る場合、相手の社内の話や、配るべきでない情報が入っていないか

確認の手間を減らすには、AIに「議事録の各項目が、文字起こしのどの発言にもとづくか」を表にさせます(次の章のプロンプト3)。「根拠なし」「食い違い」と出た項目から先に見れば、突き合わせが速くなります。

Step 7:社長が判断し、配って保存する

最後に、社長(または会議の責任者)が見るのは、細かな言い回しではなく判断が要る所だけです。決定事項として配ってよいか、保留になった件をいつ誰が決めるか、宿題の優先順位はどうするか。ここを決めてから、参加者に配ります。

配った議事録は、会社で決めた1か所に保存します。録音と文字起こしのファイルは、Step 1で伝えたとおりの期間で消すか保存するかを決め、そのとおりに扱います。

そのまま使える議事録のプロンプト

ChatGPT、Claude、Gemini、Copilotなど、会社で使ってよいと決めた生成AIに、そのまま貼って使える文例です。〔 〕の中を自社の内容に置き換えてください。文字起こしを貼る前に、Step 4の確認を済ませます。

プロンプト1:文字起こしから議事録の下書きを作る

プロンプト2:宿題(誰が・いつまで)だけを表にする

プロンプト3:議事録の下書きを、文字起こしと突き合わせる

プロンプト4:社長が判断することを1枚にまとめる

プロンプト5:参加者に送る確認のメールを作る

プロンプトの書き方の考え方は、マニュアル作成にAIを使う方法でも、手順書を例に解説しています。

AIで議事録を作るときによくある失敗

失敗1:音が悪いまま文字起こしをする

雑音が多い、声が重なる、マイクが遠い。こうした録音からは、AIでも正しい議事録は作れません。対策:Step 2のとおり、マイクの位置と話し方を先に整えます。言語の設定が日本語になっているかも、最初に確かめます。

失敗2:AIの下書きを、確かめずに配る

AIは、言っていない期限や担当者を、もっともらしく書くことがあります。そのまま配ると、「そんなことは決めていない」と後でもめます。対策:社員が文字起こしと突き合わせ(Step 6)、社長が判断の所だけを見る(Step 7)。この2段を必ず通します。

失敗3:宿題の「誰が・いつまで」が空いたまま

「来週までに見積を出す」と書いてあっても、誰が出すのかが書かれていなければ、誰も動きません。対策:プロンプトで「要確認」を出させ、配る前に本人に聞いて埋めます。会議の終わりに、進行役が宿題を声に出して読み上げると、録音にも残ります。

失敗4:社外の会議の文字起こしを、そのままAIに入れる

取引先との会議には、相手の会社の情報や、相手の社員の個人情報が入っています。対策:Step 4で消すか空欄にしてから渡します。取引先と秘密保持の約束をしている場合は、外部のAIサービスに入れてよいかを、約束の中身と社内のルールで確かめます。分からなければ入れません。

失敗5:議事録の置き場所が、人によってバラバラ

書いた人のパソコンやメールの中にあると、後から探せません。対策:保存先を1か所に決め、ファイル名の付け方(例:日付_会議名)もそろえます。社内でAIを使うルールの決め方は、生成AIの社内ルールの作り方で解説しています。

シス学の場合|議事録を「作業・確認・判断」に分けて、社員が回せる形にする

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。議事録も、仕事を「作業・確認・判断」に分けて、誰が受け持つかを決めます。

議事録の仕事の分け方
任せ先受け持つ仕事議事録での中身
AI作業文字起こしを、要約・決定事項・宿題・保留に分けた下書きにする。根拠の発言を並べる
社員確認文字起こしと突き合わせ、担当者と期限を本人に確かめ、空欄を書き戻す
社長判断何を決定として配るか、保留の件をいつ誰が決めるかを決める

議事録は、シス学の3つのシのうち「時間創出」にあたります。社長に集まっていた下書きや確認をAIと社員に渡し、社長の手元には判断だけを残します。始める前に、社長が議事録を読んで直す時間を1か月分記録しておくと、渡した後と比べられます。

シス学 AI研修では、社員が実際の会議の録音を題材に、この記事の流れ(同意の取り方、文字起こし、プロンプト、確認、保存)を、自社のやり方として練習します。研修は、条件を満たせば厚生労働省の人材開発支援助成金の対象となる場合があります。対象になるかどうかは労働局の審査で決まり、受給を保証するものではありません。対象は雇用保険の被保険者で、計画届は研修開始の1か月前まで(6か月前から)に出し、受講料はいったん全額を会社が支払います。詳しくはAI研修に使える助成金をご覧ください。

料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。まずは無料相談から、30分の無料相談を予約してください。

まとめ

  • 議事録は「録音 → 文字起こし → AIで整理 → 社員が確認 → 社長が判断」の順で作る
  • 録音の前に、目的と保存の期間を伝えて了承をもらう。画面の通知だけに頼らない
  • Zoom・Teams・Google Meetの文字起こしは、プランと管理者の設定で使えるかが変わる。言語の設定を日本語にそろえる
  • AIに渡す前に、個人情報と秘密の情報を消すか空欄にする。サービスが入力を学習に使わないかを確かめる
  • プロンプトでは「書かれていないことは書かない」「分からない所は要確認」を先に決める
  • 宿題は「誰が・何を・いつまで」がそろうまで配らない

まずは、次の社内会議を1つ選び、冒頭で録音の了承をもらって、この記事のプロンプト1と2を試してみてください。社員が確かめるのにかかった時間を、これまでの議事録づくりと比べると、自社に合う回し方が見えてきます。

よくある質問

ChatGPTで議事録を作るときは、どんなプロンプトを使えばよいですか?

議事録の項目(要約・決定事項・宿題・保留・次回)を指定するのが基本です。あわせて「文字起こしに書かれていないことは書かない」「担当者や期限がはっきりしない所は『要確認』と書く」と先に決めておきます。この記事のプロンプト1をそのまま使えます。ChatGPT以外の生成AIでも同じ文例が使えます。

会議を録音するとき、参加者の同意は必要ですか?

会議の冒頭で、録音の目的と保存の期間を伝え、了承をもらってから録音するのが確実です。名前が入っているなどで特定の人が分かる録音は個人情報にあたり、個人情報保護法は、取得した個人情報の利用目的を本人に通知するか公表することを求めています。個別の場面の法的な判断は、弁護士などの専門家に確かめてください。

取引先との会議の文字起こしを、AIに入れても大丈夫ですか?

そのまま入れるのは避けます。相手の社員の個人情報や、相手の会社の情報が入っているためです。消すか〔 〕の空欄に置き換えてから渡し、使うAIサービスが入力を機械学習に使わないことなどを確かめます。秘密保持の約束をしている場合は、その中身と社内のルールで、外部のサービスに入れてよいかを確かめます。

Zoom・Teams・Google Meetの文字起こしは、どのプランでも使えますか?

プランと管理者の設定によって変わります。Zoomのクラウド録画の音声トランスクリプトは、Pro・Business・Education・Enterpriseのアカウントが対象です。クラウド録画と音声トランスクリプトが有効になっていることも条件だと、公式ヘルプにあります。Google Meetの文字起こしは、公式ヘルプに載っている対象のエディションで使えます(2026年10月23日に確認)。使えるかどうかは、自社の契約と管理者の設定で確かめてください。

AIが作った議事録は、そのまま配ってもよいですか?

配る前に、必ず人が確かめます。AIは、言っていない期限や担当者をもっともらしく書くことがあります。社員が文字起こしと突き合わせ、社長(または会議の責任者)が決定事項と保留の扱いを判断してから配ります。

対面の会議でも、AIで議事録を作れますか?

作れます。机の真ん中にマイクを置いて録音し、録音を文字にするアプリやサービスで文字起こしをしてから、この記事のプロンプトで整理します。使うサービスは、録音の保存先と、入力が学習に使われるかどうかを利用規約で確かめてから選びます。

出典・参考

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