AIツールで減らせる6つの仕事|まず業務から種類を決める
2026年版中小企業白書の概要では、省力化の投資でAIの活用に「取り組んだ」中小企業は30.3%でした。取り組んでいない事業者が挙げた理由の上位5つは、次のとおりです。
| 理由 | 回答の割合 | この記事で扱う所 |
|---|---|---|
| 活用する業務がイメージできていない | 63.4% | 下の「業務 → 種類」の表 |
| 活用を推進する人材が不足している | 40.0% | 導入ロードマップ(担当者1人と勉強会) |
| 社内ルール・ガイドラインが整備されていない | 26.2% | 注意点(入れてよい情報の1枚) |
| セキュリティ・情報漏えいへの不安がある | 14.5% | 条件1「データの扱い」 |
| 必要な予算を確保できない | 13.8% | 条件2「料金の形」と、補助金の探し方 |
いちばん多い理由は「使う業務が思い浮かばない」です。そこで、中小企業で時間を取られやすい6つの仕事を、ツールの種類に当てはめました。自社で週に何時間かかっているかを横に書き込むと、どの種類から見るべきかが決まります。
| 時間を取られている仕事 | 仕事の例 | ツールの種類 | やり方を詳しく書いた記事 |
|---|---|---|---|
| 文章・資料の下書き | お客様へのメール、提案書、社内のお知らせ、チラシ | 汎用の対話AI、資料デザインのAI | Claudeで業務効率化、Copilotの導入 |
| 会議の記録 | 議事録、商談のメモ、決定事項と宿題の共有 | 議事録・文字起こしAI | 議事録をAIで作るやり方 |
| 同じ質問への返答 | サイト・メールの問い合わせ、よくある質問 | 問い合わせ対応(チャットボット・受付窓口) | 問い合わせ対応をAIで自動化 |
| 紙・PDFの書類の入力 | 受け取った請求書、注文書、申込書 | 経理の読み取り(AI-OCR) | この記事の16選 |
| システム間の転記と通知 | フォームの回答を表に写す、受注をチャットに知らせる | 自動化(連携)ツール | この記事の16選 |
| 社内の情報探し | 手順書、過去の議事録、規程がどこにあるか分からない | 社内の情報をまとめるAI | この記事の16選 |
1つの仕事に複数の種類が当てはまることもあります。たとえば請求書の入力なら、読み取りはAI-OCR、会計ソフトへの登録は自動化ツールです。その場合は、いちばん時間がかかっている工程の種類から選びます。業務の書き出し方は業務の棚卸しのやり方にまとめています。
【業務別】AI業務効率化ツール16選|公式ページで確かめた中身と料金の形
ここからは、6つの種類ごとにツールを並べます。並び順はおすすめの順ではありません。料金・機能・データの扱いは、2026年10月23日に各社の公式ページで確かめた内容です。料金は変わることがあるため、契約の前に必ず公式ページを開き直してください。
文章・資料の下書き(5選)
| ツール(会社) | できること | 料金の形 | データの扱い(公式の記載) |
|---|---|---|---|
| 1. ChatGPT(OpenAI) | 文章の下書き、要約、表の整理など | 個人向け(Free・Plus・Pro)と、法人向け(Business・Enterprise) | Business・Enterpriseの入出力は、デフォルトでモデルの改善に使わない。個人向けは使われることがあり、本人が選べる |
| 2. Claude(Anthropic) | 長い文書の読み込み、文章の下書き | 個人向け(Free・Pro・Max)と、法人向け(Team・Enterprise) | Team・Enterpriseはモデルの学習を「デフォルトでなし」 |
| 3. Gemini(Google) | Gmailの中での下書き(Business Standard以上はドキュメント・Meetでも使える) | Google Workspaceの各プランに含まれる | Workspaceは、事前の許可なく顧客データをモデルの学習に使わない |
| 4. Microsoft 365 Copilot(Microsoft) | Word・Excel・Outlook・Teamsの中での下書きや要約 | Copilot Chatは対象のMicrosoft 365プランに追加費用なし。有料版は、今のプランに足すCopilot Businessか、Copilotを含むBusiness Standard・Premium | エンタープライズデータ保護では、プロンプトと応答を基礎のモデルのトレーニングに使わない |
| 5. Canva(Canva) | チラシ・資料・SNS画像のデザインと、AIでの文章・画像づくり | 無料版はAI機能の利用回数に上限。Canvaビジネスは1人年18,800円(税の表示なし) | Canvaビジネスは、招待を承諾したメンバーにだけ課金 |
1〜4の汎用の対話AIは、法人向けプランの料金と管理機能の違いが大きいため、法人向け生成AIの比較で並べています。この記事では、どれを選んでも個人向けの無料版と法人向けプランでデータの扱いが違うことだけを押さえてください。
議事録・文字起こし(3選)
| ツール(会社) | 料金の形と金額 | データの扱い・試し方 |
|---|---|---|
| 6. Notta(Notta) | フリーは月120分(1回3分まで)。ビジネスは年払いで月2,508円(税込。12か月一括で30,096円)。アカウントごと | 「AI学習なし」はエンタープライズの欄に記載。3日間の無料体験は、終わるとプレミアム年間プランで自動更新 |
| 7. Rimo Voice(Rimo) | プロプラン月4,950円、チームプラン月6,600円(どちらも月払い・税込)。法人プランは11アカウントから見積もり | 全プランに「AI学習なし」。ISO27001・ISO27017取得、データは日本国内で保管と記載 |
| 8. Otolio(旧スマート書記。エピックベース) | 初期費用+AIクレジット(使う量)。人数で課金しない。金額は相談で案内 | 14日間の無料トライアル。終わっても自動で契約・課金されないと記載 |
同じ議事録のツールでも、料金の形は「アカウントごと」「アカウントごと(時間は無制限)」「使う量ごと」の3通りに分かれます。会議に出る人が多く、会議の数は少ない会社なら使う量の形、少人数で毎日会議をする会社ならアカウントごとの形が合いやすい、というように数えてから比べます。Zoom・Teams・Google Meetの文字起こしで足りるかの見分け方と、議事録のプロンプトは議事録をAIで作るやり方にまとめています。
問い合わせ対応(2選)
| ツール(会社) | 料金の形と金額 | AIの機能・試し方 |
|---|---|---|
| 9. Tayori | フリー0円(1人)、スターター月3,800円(3人)、プロフェッショナル月11,980円(10人)、エンタープライズ月25,400円+初期費用50,000円(年間契約)。すべて税抜 | AIチャットボットはプロフェッショナルとエンタープライズで使える。14日間の無料体験 |
| 10. Zendesk(Zendesk) | Support Teamは担当者1人あたり月19ドル(年払い)、月25ドル(月払い)。米ドル建て | AIエージェントは全プランに含まれ、AIだけで解決した問い合わせの件数に応じて課金(Support Teamは担当者あたり月5件を含む)。管理画面は日本語を含む28言語。14日間の無料体験 |
問い合わせのツールは、AIがお客様に直接答えるため、答えのもとになる手順書が先に要ります。手順書の作り方と、下書き・チャットボット・AIエージェントの違いは問い合わせ対応をAIで自動化するやり方で解説しています。
経理の読み取り(2選)
| ツール(会社) | 料金の形と金額 | できること・試し方 |
|---|---|---|
| 11. invox受取請求書(invox) | 月額基本料金:ミニマム980円、ベーシック9,800円、プロフェッショナル29,800円(税抜)。データ化は1件ごと:オペレータ確認なし50円、あり100円(税抜)。初期費用0円 | AI-OCRなら10秒前後、オペレータ確認ありはミニマム・ベーシックで数時間〜3営業日、プロフェッショナルで数十分〜1営業日でデータ化。freee・マネーフォワード・弥生・勘定奉行・SAPなど50種類以上の会計システムやERPと連携(2026年5月現在)。10件まで無料で試せる |
| 12. DX Suite(AI inside) | Lite月40,000円〜(初期費用0円)、Standard月100,000円〜(初期費用200,000円)。月額に応じた無料枠を超えた分はトークンかリクエストで課金。税抜 | 項目の抽出、全文の読み取り、書類の仕分け(オプション)など。読み取りから業務のAI化まで広げる形 |
料金の形は「月額+1件ごと」と「月額+使った量」です。公開の料金で計算すると、invoxのベーシックで月50件をオペレータ確認ありでデータ化する場合、9,800円+100円×50件=14,800円(税抜)です。月に届く請求書の件数を数えてから見積もりを取ると、どの形が合うかがはっきりします。
業務の自動化(3選)
| ツール(会社) | 料金の形と金額 | できること・試し方 |
|---|---|---|
| 13. Zapier(Zapier) | Freeは月100タスク、2ステップ(きっかけ1つ・動作1つ)まで。Proは月750タスクで月19.99ドル(年払い)、29.99ドル(月払い)。米ドル建て | アプリ同士をつなぎ、決まった流れを自動で動かす。Zapier Agentsは全プランで基本機能を使える。料金ページに日本語のサポートの記載はない |
| 14. Make(Make) | Freeは月1,000クレジット。多くの操作は1回1クレジット。有料プランはクレジットの量で決まる | 画面の上で流れを組み立てて自動化する。AI機能を使う操作は、より多くのクレジットを使う場合がある |
| 15. Power Automate(Microsoft) | Premiumは1ユーザーあたり月2,248円相当(税抜・年払い) | クラウドの流れの自動化と、パソコン上の操作の自動化(人が操作中のパソコンで動かす形)。30日間の無料試用(クレジットカードの登録が必要) |
自動化のツールは、流れが1回動くごとに数える「タスク」「クレジット」で料金が決まるものが多くあります。たとえば1日20件の受注を表に写して通知する流れなら、1件で2回の操作として、月20営業日で800回です。この回数を無料枠と比べてから、有料に切り替えるかを決めます。
社内の情報をまとめる(1選)
| ツール(会社) | 料金の形 | AIの機能・データの扱い |
|---|---|---|
| 16. Notion AI(Notion) | 1メンバーごとの月額。年払いは最大20%お得と記載。税は「日本の消費税(該当する場合)」 | フリーとプラスはNotion AIの体験版。ビジネスでNotionエージェント、AIミーティングノート、エンタープライズサーチ(ベータ)。エンタープライズはAIで使うLLMの提供元によるゼロデータ保持 |
Google Workspace を使っている会社なら、Gemini Notebook(旧 NotebookLM)も比べる候補です。Googleドキュメント・PDF・音声ファイルなどをソースにして質問に答え、答えの引用元を示します。Googleは、すべての Workspace プランで使え、アップロードしたデータはモデルのトレーニングに使わないと説明しています。
どちらを使う場合も、手順書や規程が文字の形で1か所にそろっていることが前提です。ツールより先に、社員がよく聞く質問を10個書き出し、その答えが書かれた資料がどこにあるかを確かめておきます。質問と答えの集め方は社内FAQをAIで作るやり方にまとめています。
選ぶ条件の判断表|データの扱い・料金の形・日本語・サポート・つなぎ先
種類が決まったら、候補を2〜3つに絞り、次の5つの条件で比べます。判断表の3段目です。
| 条件 | 公式ページで確かめる所 | 合格の目安 | 営業担当への聞き方 |
|---|---|---|---|
| 1. データの扱い | プランごとの「学習に使わない」の記載、データの保管場所、認証 | 使うプランに「学習に使わない」がはっきり書いてある | 入れたデータは、どのプランならAIの学習に使われませんか? |
| 2. 料金の形 | 人数・使う量・件数のどれで決まるか。税込か税別か、円かドルか | 自社の人数・件数で月額を計算できる | 月に◯人・◯件使うと、税込でいくらですか? |
| 3. 日本語 | 画面、ヘルプ、サポートの言語。日本語の読み取り・文字起こしの精度 | 自社の書類や会議で試して、手直しが少ない | 日本語の問い合わせ窓口はありますか? |
| 4. サポートと試し方 | 無料体験の期間、終わったあとの自動更新、問い合わせの方法 | 自動で有料にならない、または止め方が分かる | 無料体験が終わると、自動で契約になりますか? |
| 5. つなぎ先 | 今の会計ソフト、メール、チャット、表計算とつながるか | 転記の手間が増えない | 今使っている◯◯とつなげられますか? |
条件1:データの扱いは「プランごと」に違う
個人情報保護委員会は、個人データを含むプロンプトを入れる場合は、提供する事業者がそのデータを機械学習に使わないこと等を十分に確かめるよう求めています。同じ議事録のツールでも、Nottaは「AI学習なし」をエンタープライズの欄に書き、Rimo Voiceは全プランに書いています。ChatGPTは法人向けのBusiness・Enterpriseをデフォルトで学習に使わず、個人向けは使われることがあります。会社名ではなく、契約するプランの欄で確かめます。
条件2:料金の形を、自社の数字で計算する
| 料金の形 | 例 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 人数×月額 | Notion AI、Power Automate、Zendesk、Notta | 使う人が決まっていて、毎日使う |
| 使う量 | Otolio(AIクレジット)、DX Suite(トークン)、Zapier(タスク)、Make(クレジット) | 使う人は多いが、量は月によって変わる |
| 件数 | invox(データ化1件ごと)、Zendesk(AIだけで解決した件数) | 処理する書類や問い合わせの件数が数えられる |
| 年額 | Canvaビジネス(1人年18,800円) | 年間を通して使うことが決まっている |
ドル建てのツール(Zendesk、Zapierなど)は、為替で円の支払額が変わります。予算は「月額×人数+従量の見込み」に、為替の幅を足して置きます。
条件3〜5:日本語・試し方・つなぎ先は、自社の書類で確かめる
無料体験の条件は、ツールごとに大きく違います。Nottaの3日間の無料体験は、終わるとプレミアム年間プランで自動更新されます。Otolioの14日間のトライアルは、自動で契約・課金されません。Power Automateの30日間の試用はクレジットカードの登録が必要で、invoxは10件まで無料です(各社の公式ページの記載)。試すときは、個人情報を消した自社の書類や会議の録音を3〜5件使い、手直しにかかった時間を記録します。つなぎ先は、invoxのように連携する会計システムの名前を公開しているツールなら、今の会計ソフトがその一覧にあるかを見ます。
補助金を使う場合|登録されたITツールの探し方
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)で補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールだけです。公募要領は、AIの搭載の有無を含む機能の概要は「ITツール検索」で確かめられるとしています。探し方は次のとおりです。
- 事務局の公式サイトのITツール・IT導入支援事業者検索を開き、「ITツールを探す」を選ぶ
- 「対応希望エリア」で自社の都道府県を選ぶ
- 「ツール名から探す」に候補のツール名を入れる。名前が決まっていなければ「要件/目的から探す」の「ITツールが有する機能」で絞る
- 支援枠(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)を選ぶ。必要なら「セキュリティ認証保持事業者のITツールに限る」に印を付ける
- 検索結果のITツールと、それを扱うIT導入支援事業者を控え、その事業者に相談する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検索結果に出ないもの | オプション(大分類Ⅱ)・役務(大分類Ⅲ)、パソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機。移行登録が済んだツールは順次更新中で、出ない場合がある |
| OCR・RPA・チャットボット | 「汎用・自動化・分析ツール」(汎用プロセス)に入る。汎用プロセスだけのツールは単独では申請できず、業務プロセスを持つツールと組み合わせる |
| 月額・年額のツール | クラウドの利用料は最大2年分が補助の対象 |
| 契約の時期 | 交付決定の前に契約・発注したものは対象外 |
補助率・補助額・日程は、AI導入に使える補助金でまとめています。補助金を使うかどうかに関係なく、判断表の1〜5の条件は同じように確かめます。
段階的な導入ロードマップ|6か月で1つの業務を回す
2026年版中小企業白書(第2-2-91図)は、AIを活用した会社に、その効果を聞いています。「想定した効果が得られなかった」割合は、社員向けのAIの研修や勉強会に取り組んでいる会社で8.6%(n=920)、取り組んでいない会社で16.1%(n=789)でした。ツールを選ぶ段階から、使い方をそろえる時間を予定に入れておきます。
第1段階(1か月目):業務を1つ決め、無料枠で試す
- 社員に、いちばん時間を取られている繰り返しの仕事を1つずつ書いてもらい、6つの仕事のどれに当たるかに印を付ける
- 印がいちばん多い仕事を1つ選び、ツールの種類を決める
- 候補を2〜3つに絞り、判断表の5つの条件を公式ページで埋める
- 個人情報を消した自社の書類や録音を3〜5件使って無料枠で試し、1件あたりの時間と手直しの回数を記録する
- 入れてよい情報・入れない情報を1枚にまとめる(生成AIの社内ルール)
第2段階(2〜3か月目):1部署・数人で有料にして測る
- 効果を確かめるまでは、月払いを選べるツールは月払いで、使う人も数人に絞る
- 週に1回15分、使った社員で「うまくいった使い方」「手直しした所」を出し合う
- 試す前と同じ測り方で、1件あたりの時間と手直しの回数を毎週記録する
第3段階(4〜6か月目):続ける・広げる・やめるを決める
- 3か月分の記録で、減った時間と月の費用を比べ、続けるかを決める
- 続ける場合は、うまくいった使い方を手順書にして、ほかの部署へ広げる
- 年払いへの切り替えや人数の追加は、この段階で決める
- 次の業務を判断表の1段目から選び直す
AIツール導入の注意点とリスク対策
顧客の情報を、学習に使われるプランに入れてしまう
個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入れる場合について注意を呼びかけています。そのデータが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるとしています。対策:社員が個人向けの無料版を勝手に使わないよう、会社で使うツールとプランを決めて伝えます。
AIの答えをそのまま外に出してしまう
個人情報保護委員会の注意喚起は、生成AIの応答には不正確な内容が含まれることがあると指摘しています。議事録の数字、読み取った請求書の金額、問い合わせへの答えは特に影響が大きい所です。対策:金額・日付・固有名詞は、元の書類と照らし合わせる担当者を決めます。
AIで作った画像や文章が、他人の作品に似てしまう
文化庁は「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)と「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)を公表しています。対策:チラシや広告に使う画像は、外に出す前にチェックリストに沿って、既存のキャラクターや作品に似ていないかを確かめます。
無料体験が、気づかないうちに有料の年間契約になる
無料体験の終わり方はツールで違います。Nottaの3日間の無料体験は終わるとプレミアム年間プランで自動更新、Otolioは自動で契約・課金されないと書かれています。対策:試す前に、終わったあとの扱いと止め方を公式ページで確かめ、終わる日を予定表に入れます。
使った量に応じた料金が、思ったより膨らむ
Zendeskは、AIだけで解決した問い合わせの件数に応じて課金し、プランに含まれる件数を超えると追加の料金がかかります。DX Suiteは無料枠を超えた分をトークンで、Notionのカスタムエージェントは1,000クレジットあたり月10米ドルで課金します。対策:最初の3か月は毎月の請求額を記録し、上限の通知や追加購入の設定を確かめます。
ツールが部署ごとに増え、データがつながらない
2026年版中小企業白書(第2-2-95図)は、ITツール(AIを含まない)を活用した会社に、その効果を聞いています。「想定した効果が得られなかった」割合は、部門間の連携ができている会社で7.6%、できていない会社で34.8%でした。対策:新しいツールを入れる前に、今使っているツールで足りないかと、ほかの部署のツールとつながるかを判断表の5番目で確かめます。
シス学の場合|ツール選びを「作業・確認・判断」に分ける
シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。ツール選びの仕事も、「作業・確認・判断」に分けて受け持ちを決めます。
| 任せ先 | 受け持つ仕事 | 中身 |
|---|---|---|
| AI | 作業 | 社員が書き出した仕事の一覧を6つの種類に分け、候補のツールごとに判断表の5つの条件を公式ページから下書きする |
| 社員 | 確認 | 下書きの記載を公式ページで確かめ、自社の書類で無料枠を試して、1件あたりの時間と手直しの回数を記録する |
| 社長 | 判断 | どの業務から始めるか、月にいくらまで使うか、続けるか・やめるかを決める |
これは、シス学の3つのシのうち「時間創出」にあたります。社長に集まっていた下書きや確認を、AIと社員に渡します。社長の手元には、業務の順番と予算の判断だけを残します。
シス学 AIコンサルティングは、どの仕事をAIに任せるかの設計から、社員が使い続ける定着までを月ごとに支えます。新しいツールが自社に要るかの判断や、AIに入れてよい情報のルールづくりも一緒に行います。社員向けのAI研修やAIエージェントによる業務の自動化も、契約の時間の中で行います。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。まずは30分の無料相談からご相談ください。
まとめ
- AIツールは、ツール名から入らず「業務 → 種類 → 条件」の順に絞る
- 種類は、文章・資料、議事録、問い合わせ、経理の読み取り、自動化、社内の情報の6つに分けて考える
- データの扱いは会社ではなくプランごとに違う。「学習に使わない」の記載を、契約するプランの欄で確かめる
- 料金の形は、人数・使う量・件数・年額の4つ。自社の人数と件数で月額を計算してから比べる
- 補助金を使う場合は、事務局のITツール検索で登録されたツールを探し、交付決定の前に契約しない
よくある質問
中小企業は、まずどのAIツールから入れればよいですか?
ツールの名前ではなく、いちばん時間を取られている繰り返しの仕事から決めます。議事録なら議事録・文字起こしAI、請求書の入力なら読み取りのツール、というように種類を決め、その中で候補を2〜3つに絞って、自社の書類で無料枠を試します。
AIツールの無料版を、会社の仕事に使ってもよいですか?
顧客や社員の情報を入れない使い方なら試せます。ただし、個人向けの無料版は入力がAIの学習に使われることがあるプランもあります。個人情報を扱う仕事では、学習に使わないと公式に書かれている法人向けのプランを選んでください。
AIツールの料金は、どう比べればよいですか?
人数で決まるのか、使う量や件数で決まるのかを先に確かめます。そのうえで、自社の人数と月の件数を当てはめて、税込の月額に直して比べます。ドル建てのツールは為替で円の支払額が変わります。
補助金で買えるAIツールは、どう探せばよいですか?
デジタル化・AI導入補助金の事務局の公式サイトにある「ITツール検索」で、ツール名か「ITツールが有する機能」から探します。対象は事務局に登録されたツールだけで、交付決定の前に契約したものは対象外です。
ChatGPTのような対話AIがあれば、議事録などの専用ツールは要りませんか?
会議の数が少なければ、録音の文字起こしを対話AIで整える形でも足ります。会議の録音と共有を毎日のようにくり返すなら、録音から要約までをまとめて行う専用ツールのほうが手間が減ります。1件あたりの時間を両方で測ってから決めます。



PDF・11ページ/3項目の入力ですぐに読めます