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【2026年最新】介護×生成AI 完全ガイド|記録・会議録から家族連絡・研修資料まで活用事例とプロンプト6選

介護事業所の記録や書類の仕事にAIを取り入れるイメージ

「ケアの時間より、記録を書いている時間のほうが長い気がする。」「担当者会議のあとは、会議録を書くために残業している。」介護事業所の経営者や管理者から、よく聞く悩みです。

「大手の介護会社はAIで記録を減らしていると聞く。でも、利用者の病気や体の情報をAIに入れて大丈夫なのか?」という不安もあります。

この記事は、こんな悩みを持つ介護事業所の経営者に向けたガイドです。介護×生成AIの全体像、各社と国の実証の事例、そのまま使えるプロンプト6つ、個人情報の守り方、補助金の注意点、3段階の進め方までをまとめました。数字は国と公的機関の資料、事例は各社とツール提供会社の公式発表、厚生労働省の報告書で確かめたものだけを載せています。記録や計画書の下書きを、事業所の書式に合わせて回す仕組みづくりは、シス学 AIコンサルティングでもお手伝いしています。

介護業界が直面する構造的課題と生成AIの可能性

数字で見る介護の今:必要な職員数・人手不足・離職

まず、国と公的機関の資料で介護の今を確かめます。厚生労働省は、都道府県の第9期介護保険事業計画をもとに、必要な介護職員の数を公表しています。介護労働安定センターは、毎年「介護労働実態調査」を行っています(令和7年度の調査は、事業所8,955件・介護労働者20,675人が回答)。

数字で見る介護の人手(厚生労働省・介護労働安定センターの資料より)
項目数字出典
必要な介護職員の数2022年度の職員数 215万人(実績)に対し、必要数は2026年度 約240万人(約25万人増、年6.3万人)、2040年度 約272万人(約57万人増、年3.2万人)厚生労働省(2024年7月12日公表)
従業員が不足している事業所65.8%(前年度より0.6ポイント上昇)。うち「大いに不足」「不足」は32.0%介護労働安定センター 令和7年度介護労働実態調査
職種別の不足訪問介護員 82.9%、介護職員 69.8%同上
働く人の悩み・不満の1位「人手が足りない」52.3%(複数回答)同上(労働者調査)
離職率と採用率訪問介護員・介護職員の2職種を合わせて、離職率12.4%(横ばい)、採用率14.6%(0.3ポイント上昇)同上

2022年度に実際にいた215万人から2026年度の約240万人まで、毎年6.3万人ずつ職員を増やす計算です。一方で、採用率と離職率の差は2ポイントほどしかありません。人を増やすだけでは追いつかないため、国も介護人材の確保策の柱に「離職防止・定着促進・生産性向上」を挙げています。

テクノロジーの今:記録の介護ソフトは7割、音声を文章にする機能は1割台

同じ調査で、介護テクノロジーを「日常的に利用している」割合を見ます。パソコンで使う介護ソフトの「利用者情報(ケア記録・ケアプラン等)の入力・保存・転記の機能」は、全体で72.2%でした。一方、同じ介護ソフトの「入力した音声を文章(テキスト)に変える機能」は13.2%です。タブレット・スマートフォンのアプリでも、音声を文章に変える機能は16.0%にとどまります。

記録を保存する仕組みは多くの事業所に入りましたが、記録の文章を書く作業は、まだ職員の手に残っています。メモや話した内容を、決まった形の文章に整えるのは、生成AIが得意な仕事です。

介護ならではの3つの壁:なぜ使い始めにくいのか

  • 扱う情報が重い:記録には利用者の病歴や心身の状態が書かれる。個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたり、ふつうの個人情報より慎重な扱いが求められる
  • 記録は法令で決まった書類:たとえば訪問介護では、運営基準でサービスの記録や事故の記録を整え、完結の日から2年間保存することが決まっている。AIの間違いをそのまま残すわけにはいかない
  • 職員がパソコンの前にいない:訪問、夜勤、シフト勤務で、全員を集めて教える時間も、ゆっくり試す時間も取りにくい

だからこそ、生成AIは「記録を最後まで書かせる道具」ではなく、「職員が確かめる前提の下書き係」として使うと、介護でも始めやすくなります。走り書きのメモを記録の文章に整える、会議の録音から会議録の下書きを作る、といった仕事です。

介護における生成AIユースケース全体像

生成AIは、文章を読む・まとめる・書き直す仕事が得意です。介護事業所の書く仕事を場面ごとに分けると、使いどころは次のようになります。

介護事業所の仕事で生成AIを使える場面の例
場面AIに任せる作業の例人が必ず確かめること
日々の記録走り書きのメモや音声メモを、サービス提供記録・ケア記録の文章に整える時刻・量・バイタルの数値と、観察した事実がメモどおりか
申し送り夜勤から日勤への申し送りを、利用者ごと・急ぎの順に整理する急ぎの対応と、医療職への連絡が抜けていないか
ケアプラン・会議サービス担当者会議やモニタリング面談の録音から、会議の要点や経過記録の下書きを作る本人・家族の意向と、決まったことが話のとおりか。計画の中身はケアマネジャーが決める
事故・ヒヤリハット報告書の項目に沿った整理、事実と推測の書き分け、再発防止策のたたき台原因と対策は現場で話し合って決める。市町村への報告が要るかは管理者が判断する
家族・関係機関への連絡ご家族への近況報告、行事のお知らせ、ケアマネジャーへの連絡文の下書き約束や医療の判断と受け取られる書き方になっていないか
研修・マニュアル感染症対策や虐待防止などの研修資料のたたき台、確認テスト、手順書国や自治体の最新の指針と合っているか

会議録の作り方は議事録をAIで作る方法、手順書の作り方はマニュアル作成にAIを使う方法でも、業種を問わない形で解説しています。

国内介護事業者の生成AI活用事例

ここでは、各社の公式発表(ツールを提供した会社の発表・導入事例を含む)と、厚生労働省の実証の報告書に書かれた内容だけを紹介します。数字は発表と報告書に書かれたとおりです。

SOMPOケア|AI記録作成ツールを全国約1,100拠点・約3,500名に全社導入

SOMPOケアは2026年3月、介護向けのAI記録作成ツール「noman」を全社へ広げました。対象は全国約1,100拠点・約3,500名です(ツールを提供するscovilleの2026年6月22日の発表)。会議や面談の音声をAIが文字に起こして要約し、業務に合わせた型で記録や議事録の下書きを作る仕組みです。担当者会議、モニタリング面談、カンファレンス、各種委員会、職員面談などで使っています。

定着の工夫として、次の3つを挙げています。業種ごとの担当者と分科会をつくり、出力を現場の帳票に合わせたこと。希望する事業所へ訪問して使い方を説明したこと。専用の相談窓口を置いたことです。発表に削減時間の数字はありません。

なお、SOMPOケアは厚生労働省の令和7年度の実証にも参加しています。訪問介護事業所2か所で、議事録作成の支援ツールと介護記録システムを使いました。その結果、職員1人1日あたりの「議事録作成」の時間が6.3分減り、「直接介護」の時間が18.3分増えたと報告されています。

CUC|Geminiの「ケア記録アシスト」で、1件の記録時間を4.0分から3.3分へ(発表では約20%削減)

シーユーシー(CUC)は2026年3月27日、Googleの生成AI「Gemini」の「ケア記録アシスト」を使った実証の結果を発表しました。ホスピス型住宅「ReHOPE」の2拠点・スタッフ27名で、平均の記録時間が4.0分から3.3分になりました。発表では約20%の削減、スタッフ1人あたり1か月約3.5時間の工数削減としています。システムは作らず、現場の運用とプロンプトの見直しだけで実現したと説明しています。

「トイレ 尿なし ズボン 下ろすとき ふらつき あり 危ない」のような単語の並びや、外国語での音声入力からでも、日本語の記録の文章にできることも紹介しています。Googleの同日の発表では、この機能は短い音声メモや手書きメモの写真から、SOAP形式などの記録の草案を作るものです。AIが作った草案は、スタッフが確認・承認してから正式な記録になる設計だとしています。

やさしい手|記録の要約・報告書づくりの時間を約30%削減

やさしい手は、Amazon Web Services(AWS)の生成AIサービスを使い、介護記録の要約や報告書の作成を効率化しました。AWSが公開している導入事例では、記録を整理する作業が1件20分以上から、確認の時間を含めて平均14分になりました(約30%の工数削減)。利用者の多い事業所では、月25時間の削減になったとしています。ケアマネジャーと利用者の会話の音声を文字にして、アセスメントに使う取り組みも紹介されています。

社会福祉法人青祥会|AIで作れた会議録は1件12.2分、作れなかった会議録は22.7分(厚生労働省の実証)

大手でなくても同じ形で試せることを示したのが、厚生労働省の令和7年度「介護テクノロジー等による生産性向上の取組に関する調査及び効果測定事業」です。社会福祉法人青祥会は、居宅介護支援事業所2か所(アンタレスケアプランセンター、秦荘ケアプランセンター)で試しました。使ったのは、SOMPOケアと同じAI議事録作成支援ツール「noman」で、期間は2025年9〜12月です。

2回目の効果測定(2025年11月21日〜12月20日)では、ツールを使えた会議の議事録は1件平均12.2分でした。録音できず、会議後の吹き込みもできなかった会議(19件)は、平均22.7分かかっています。ツールを使えた会議には、録音できなかった会議のあとに職員が要点を声で吹き込み、AIで下書きを作ったものも含まれます。

同じ測定で導入前と比べると、職員1人1日あたりで、会議録などの作成とサービス担当者会議の時間が19.5分減りました。利用者への直接業務(サービス担当者会議を除く)は29.9分増えています。録音を嫌がる利用者には、テクノロジーを使う理由を書いた説明書で説明し、多くの場合で許可をもらえたと報告されています。病院での録音も、事前に説明して許可を得ています。職員からは「今まで議事録作成で発生していた残業時間がほぼ0になった。」という声が出ています。

介護で使えるプロンプト6選

そのまま貼り付けて使える文例です。( )の中を自分の事業所の内容に置き換えてください。利用者の氏名・住所・生年月日・被保険者番号は入れず、「Aさん」のように置き換えます。ただし、病状や体の状態は、名前を伏せても要配慮個人情報にあたることがあります。そのため、事業所が認めた、入力した内容が学習に使われない設定のサービスで使います(理由はリスクの章で説明します)。

①【日々の記録】走り書きのメモをサービス提供記録の文章に整える

②【申し送り】夜勤から日勤への申し送りを整理する

③【ケアプラン・会議】担当者会議の文字起こしから、会議の要点の下書きを作る

④【事故・ヒヤリハット】報告書の下書きを作る

⑤【家族連絡】ご家族への近況報告の文を作る

⑥【研修】職員向け研修資料と確認テストのたたき台を作る

どの文例でも、AIが作ったものは下書きです。記録は法令で作成と保存が決まった書類なので、担当した職員が読み、事実と違う所を直してから記録として残してください。⑥は利用者の情報を使わないため、社内のルールが決まる前でも試せます。

介護×生成AIのリスクとガバナンスをどう設計するか

介護で特に気をつけたい3つのリスク

  1. 要配慮個人情報の持ち出し:利用者の病歴、心身の状態、障害の事実などを、事業所が認めていないAIサービスに入れてしまう
  2. もっともらしい間違いが記録に残る:AIは、言っていない言葉や、量・時刻の数字を、それらしく書くことがある。記録は保存が義務の書類なので、間違いがそのまま残る
  3. 録音と同意:会議や面談を録音して記録にする場合、利用者やご家族、同席する他の事業所の人の了解を取らずに録音してしまう

押さえておきたい法令・ガイドライン

介護事業所が生成AIを使うときに確かめたい決まり(2026年10月23日に原文で確認)
決まり書かれていること事業所でやること
個人情報保護法 第2条第3項(要配慮個人情報)と、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(令和8年4月一部改正)ケアプラン、サービス提供の記録、事故の状況の記録などは個人情報の例。介護関係記録に書かれた病歴や障害の事実などは要配慮個人情報にあたり、取得や第三者への提供には原則として本人の同意が要るAIに入れてよい情報・入れてはいけない情報を決める。利用目的の掲示や契約時の説明に、記録の作成にAIを使うことを含めるか確かめる
同ガイダンス(安全管理措置、従業者の監督及び委託先の監督)個人データの扱いを委託するときは、個人情報を適切に取り扱っている事業者を委託先に選び、安全管理措置を契約に盛り込み、業務が適切に行われているかを定期的に確かめる。再委託の扱いも契約で定めるAI機能つきの介護ソフトや記録ツールに記録を預ける場合は、保存場所、学習への利用の有無、再委託の有無を契約書や規約で確かめる
個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)個人情報を含むプロンプトを入れるときは、利用目的の範囲内かを確かめる。本人の同意なく入れた個人データが、応答以外の目的で扱われると法違反になるおそれがあるため、機械学習に使われないことなどを確かめる法人向けの契約で、入力した内容が学習に使われない設定を管理画面で確かめてから使う
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第39条(訪問介護の記録の整備)訪問介護計画、提供したサービスの記録、事故の状況と処置の記録などを整え、完結の日から2年間保存するAIの下書きは職員が確定させてから記録にする。実際の保存年限は、事業所を指定した都道府県・市町村の条例でも確かめる

AIを使う側の注意は、総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」第5部(AI利用者に関する事項)にまとまっています。個人情報や機密情報を不適切に入力しないこと、出力の精度とリスクの程度を理解して使うことなどです。ルールのひな形は生成AIの社内ルールの作り方で紹介しています。

事業所のルールに入れたい5つのポイント

  • 使ってよいAIサービス:法人が契約し、入力した内容が学習に使われない設定を確かめたサービスとアカウントだけを使う。職員の個人のアカウントは使わない
  • 入れてはいけない情報:氏名、住所、生年月日、被保険者番号、顔写真は入れない。病状や服薬など、名前を伏せても入れる場合は、使ってよいサービスに限る
  • 職員が確かめる書類:記録、計画、事故報告、ご家族への文書は、担当者が読んで直してから残す・送る。医療の判断と受け取られる書き方はしない
  • 録音のしかた:録音する前に、目的と保存のしかたを書いた説明書で利用者・ご家族・同席者の了解を取る。了解がない場合は、会議のあとに職員が要点を声で吹き込む
  • 困ったときの連絡先:間違えて情報を入れたとき、誰に、すぐ何を伝えるかを決めておく

ルールは1枚にまとめ、事務所と休憩室に貼っておきます。使わせないためのルールではなく、職員が安心して使うためのルールです。

介護事業所のための3段階導入ロードマップ

期間は目安です。事業所の大きさや、介護ソフトがどこまで入っているかで前後します。

段階1:管理者が使い、ルールを決める(0〜3か月)

  • 法人向けの契約のAIを用意し、入力した内容が学習に使われない設定かを管理画面で確かめる
  • 「使ってよいサービス」「入れてはいけない情報」「確かめる人」を1枚のルールにまとめる
  • 管理者と推進役の職員2〜3人で、研修資料(プロンプト⑥)、申し送り(②)、ヒヤリハット報告書(④)の下書きを試す
  • 試す前と後で、1件あたりにかかる時間を記録しておく

段階2:記録・会議録へ広げ、職員に教える(3〜6か月)

  • うまくいった文例を、事業所の書式に合わせて直し、手順書にして共有する
  • 録音の説明書を作り、担当者会議やカンファレンスの会議録の下書きに広げる
  • 使う人を増やす前に、職員向けの研修を行う。外国人の職員も使えるように、やさしい言葉の文例をそろえる

職員向けのAI研修は、内容や進め方によっては国の助成金(人材開発支援助成金)の対象になることがあります。ただし令和8年8月3日の改正で、特定の業務に直結しない汎用的な内容(一般的なプロンプトの作り方だけを学ぶ研修など)は対象外と示されました。記録や報告書など、職員の業務にそのまま使う内容にすることが前提です。条件はAI研修に使える助成金で解説しています。

段階3:介護ソフトとつなぎ、仕組みにする(6か月〜)

  • 音声やメモから作った下書きが、介護ソフトの記録や報告書の欄にそのまま入る流れを、ソフトの会社と相談してつくる
  • 過去の事故報告やヒヤリハット、申し送りをまとめ、似た場面をAIで探せるようにする
  • 月ごとに記録・会議録の時間、残業時間、手直しの件数を確かめ、続ける・広げる・やめるを決める

補助金・助成金の使い方(2026年10月23日に確認)

介護の事業所が機器やソフトを入れるときの中心は、国の基金や補正予算をもとに都道府県が行う「介護テクノロジー導入支援」の補助金です。国の資料(令和6年度補正予算)の主な条件は、次のとおりです。

  • 補助上限:介護ソフトは250万円(ライセンス料で合計金額が変わる契約は、職員数に応じて100万〜250万円)、情報端末は10万円
  • 補助率:国・都道府県が4分の3(要件によっては2分の1)。協働化の取組と併せる場合は5分の4
  • 必須:導入と一体の業務改善の支援(コンサルティング会社や介護生産性向上総合相談センターなど)を受ける
  • 要件:業務改善計画の作成・報告と、補助を受けた翌年度から3年間の効果の報告

国は令和7年度補正予算でも「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」(220億円)を組んでいます。実際の補助率・期限・要件は県ごとに違います。

介護のAI・テクノロジー導入で確かめたい制度の例(2026年10月23日に各ページで確認)
制度対象・補助期限・状況注意点
新潟県 介護テクノロジー定着支援事業(令和8年度)県内の介護サービス事業所など。補助率5分の4、1法人あたり上限1,000万円申請は2026年8月24日〜9月4日で受付終了。交付決定の通知は10月中旬の予定申請総額が予算を大幅に上回り、一律に減額して交付決定する予定と案内(9月9日)。来年度の実施は検討中で、確約はしていない
宮城県 介護テクノロジー導入支援事業(令和8年度)県内に介護サービス事業所などを持つ法人。導入費の5分の4申請は2026年7月14日〜8月14日で締切。採択の可否は9月18日に通知県のセミナーの受講が要件。交付決定の前に契約・購入したものは対象外。訪問・通所・居宅介護支援などは、今年度中にケアプランデータ連携システムの利用を始めることが要件
山口県 介護テクノロジー定着支援事業(令和8年度)県内の介護事業所など。経費の5分の4と区分ごとの上限の低い方2026年7月22日に到着順で受付を始めたが、予算を超えるおそれから同日11時45分に一時停止。9月9日に今年度の受付を終了見守り機器・インカム・介護ソフトを含むこと(導入済みなら可)が要件。令和7年度に交付を受けた事業所は対象外。次年度に向けたニーズ調査を9月28日〜10月9日に実施
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)職員向けのAI研修。中小企業は経費の75%と、1人1時間1,000円の賃金助成(上限あり)令和8年度末までの時限措置計画届は研修を始める6か月前から1か月前まで。令和8年8月3日から、業務に直結しない汎用的な研修は対象外、eラーニングは同じ職員に1年度1回まで。受講料はいったん全額を事業所が払う。受給は審査で決まり、保証されない。対象は雇用保険の被保険者

今回確認した国と3県の資料には、「生成AI」を名指しした補助の対象は書かれていませんでした。ChatGPTのような生成AIサービスの月額料金が対象になるとは限りません。生成AIの機能を持つ介護ソフトや記録ツールが対象になるかは、福祉用具情報システム(TAIS)への掲載や県の判断で決まります。県の窓口(介護生産性向上総合相談センターなど)で確かめてください。

3県とも、令和8年度の受付はすでに終わっています(2026年10月23日時点)。募集は7〜8月に始まり、山口県は受付初日に一時停止、新潟県は申請が予算を大幅に上回りました。来年度に使うなら、募集が始まる前に、どの業務をどう変えるかの業務改善計画を準備しておくのが確実です。補助金全体の見方はAI導入に使える補助金にまとめています。

シス学の場合

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。株式会社むさしAI研修が提供しています。

シス学では、仕事を「作業(AI)・確認(職員)・判断(経営者)」に分けて考えます。たとえば事故報告書なら、AIが記録とメモから報告書の下書きを作り、事実と推測を分けます(作業)。リーダーや管理者が、その場にいた職員に事実を確かめ、ご家族への説明の内容を整えます(確認)。経営者は、再発防止策と、ご家族・市町村への対応の方針を決めます(判断)。経営者に集まっていた下書きや確認をAIと職員に渡すことで、経営者がいなくても回る時間をつくります。

月ごとに続けて進める形として、シス学 AIコンサルティングをご用意しています。月1回の定例ミーティング(90分)、月1回のオンライン壁打ち・相談会(60分)、月内のチャット相談が含まれます。この記事で紹介した事業所のルールづくり、文例の手直し、AIエージェントによる記録の流れの自動化まで、契約の時間の中で一緒に進めます。

職員向けには、シス学 AI研修をご用意しています。職員が毎日書いている記録、申し送り、報告書を題材に、AIで下書きを作って確かめるところまで練習します。オンラインで全国に対応しています。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。自分の事業所に合うかどうかも、まずは30分の無料相談からお伝えします。

まとめ:介護×生成AIは「利用者の情報を守る決まり」を先に作り、記録1枚から始める

  • 必要な介護職員は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人。従業員が不足している事業所は65.8%、訪問介護員では82.9%
  • パソコンの介護ソフトで、記録の入力・保存の機能は72.2%の事業所が日常的に使う。音声を文章にする機能は13.2%。記録の文章を書く作業が、生成AIの使いどころ
  • SOMPOケアは約1,100拠点で記録作成のAIを全社導入。CUCは記録時間4.0分→3.3分、やさしい手は約30%削減。青祥会ではAIで作れた会議録が1件12.2分(作れなかった会議録は22.7分)。数字はそのまま自社に当てはめない
  • 記録は要配慮個人情報を含み、保存が義務の書類。使ってよいサービス、入れてはいけない情報、録音の同意、確かめる人を先に決める
  • 介護テクノロジーの補助金は県ごとに条件と期限が違う。新潟県・宮城県・山口県とも令和8年度の受付は終わっている(2026年10月23日時点)。生成AIが対象になるかは県の窓口で確かめる

まずは明日、管理者がプロンプト⑥で、来月の研修資料のたたき台を作ってみてください。利用者の情報を一切使わないので、ルールが決まる前でも試せます。いつもかかっている時間と比べることが、自分の事業所に合う使い方を見つける一歩目になります。

よくある質問

小規模な介護事業所でも、生成AIは使えますか?

使えます。大手のような専用の仕組みがなくても、研修資料や申し送り、ヒヤリハット報告書の下書きから始められます。厚生労働省の実証では、居宅介護支援事業所2か所でAI議事録作成支援ツールを使いました。ツールで作れた会議録は1件平均12.2分、作れなかった会議録は22.7分だったと報告されています。

利用者の記録を、ChatGPTなどの生成AIに入れてもよいですか?

職員の個人のアカウントや、入力した内容が学習に使われる設定のサービスには入れないでください。記録に書かれた病歴や障害の事実などは要配慮個人情報にあたります。法人で契約し、学習に使われない設定を確かめたサービスで、氏名や被保険者番号を伏せて使うのが基本です。

ケアプランをAIに作らせてもよいですか?

会議の要点や経過記録の下書きまでにとどめてください。ご本人とご家族の意向をふまえて、目標やサービスの中身を決めるのはケアマネジャーです。AIの下書きは、話の内容と合っているかを担当者が確かめてから使います。

介護のAI導入に使える補助金はありますか?

都道府県が行う介護テクノロジー導入支援の補助金があり、介護ソフトなどが対象になります。ただし、今回確認した国と県の資料には、生成AIを名指しした対象の記載はありませんでした。県ごとに補助率・期限・要件が違います。新潟県・宮城県・山口県はいずれも令和8年度の受付を終えているため(2026年10月23日時点)、来年度の募集の時期を県の窓口で確かめてください。

担当者会議や面談を録音して、AIで記録にしてもよいですか?

録音する前に、目的と保存のしかたを利用者・ご家族・同席者に説明し、了解を得てください。厚生労働省の実証では、説明書を使って説明したことで、多くの場合に許可を得られたと報告されています。了解がない場合は、会議のあとに職員が要点を声で吹き込んで下書きを作る方法もあります。

何から始めればよいですか?

利用者の情報を使わない研修資料の下書きから始め、並行して「使ってよいサービス」「入れてはいけない情報」「確かめる人」を1枚のルールにまとめるのがおすすめです。試す前と後で1件あたりの時間を記録しておくと、続けるかどうかを判断できます。

出典・参考

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