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AIコンサルとは?中小企業が頼めること・選び方・進め方を解説

パソコンの画面越しに、オンラインで相談している様子

「AIの話は毎日のように聞く。でも、うちの会社のどの仕事に使えばいいのかが分からない。」そう感じて、外部のAIコンサルを調べ始める社長がいます。

ところが、「AIコンサル」と名の付くサービスの中身は、会社によってかなり違います。計画書をまとめて終わる形もあれば、毎月の打ち合わせで実行まで付き合う形もあります。中身を知らずに頼むと、思っていたのと違う支援に費用を払うことになりかねません。

この記事では、AIコンサルとは何か、中小企業が頼めること、頼むメリット、選び方、導入のステップ、注意点、社内に定着させる仕組みづくりまでを、順番に解説します。

AIコンサルとは?中小企業が頼めること

AIコンサルとは、外部の専門家が会社の仕事と数字を見たうえで、どの仕事にAIをどう使うかを社長と一緒に決め、社内で使い続けられるまでを支えるサービスです。

ツールを売ることや、AIの仕組みを解説することが目的ではありません。「見積書づくりに時間がかかる」「日報を読むだけで朝が終わる」といった、自社の困りごとから話を始めるのがAIコンサルです。

AIコンサルの頼み方は大きく2つ

AIコンサルの2つの頼み方(一般的な傾向)
頼み方主な中身手元に残るもの
期間を区切る形数か月で業務を分析し、AIの導入計画をまとめる計画書、取り組む仕事の優先順位
月ごとに続ける形毎月の打ち合わせで決め、実行と見直しまで続けて支える手順書、社内ルール、月ごとの確認の記録

呼び方は会社ごとに違い、月ごとに続ける形を「AI顧問」と呼ぶこともあります。違いはAI顧問とは?で詳しく解説しています。言葉ではなく、何をしてくれて、何が手元に残るかで比べます。

シス学では、月ごとに続ける形のシス学 AIコンサルティングをご用意しています。中身は、記事の後半でご紹介します。

なぜ中小企業にAIコンサルが必要なのか

中小企業庁の「2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要」を見てみます。2019年以降の省力化の投資で、AIの活用に「取り組んだ」中小企業は30.3%(n=5,645)でした。取り組んでいない事業者が挙げた理由の上位は、次のとおりです(n=3,888、複数回答)。

AIを活用していない理由(中小企業、複数回答の上位5つ)と、AIコンサルが受け持てること
理由回答の割合AIコンサルが受け持てること
活用する業務がイメージできていない63.4%自社の仕事を聞き、AIに任せる作業を具体的に挙げる
活用を推進する人材が不足している40.0%社内の担当者と一緒に進め、判断に迷う所を支える
社内ルール・ガイドラインが整備されていない26.2%使ってよい範囲と確かめる手順を、一緒に決める
セキュリティ・情報漏えいへの不安がある14.5%入れてはいけない情報と、使うサービスの設定を確かめる
必要な予算を確保できない13.8%小さく試せる仕事から始め、効果を数字で確かめる

上位3つは「どの仕事に使うか」「誰が進めるか」「どんな決まりで使うか」です。「予算を確保できない」は5番目の13.8%でした。止まっている理由の多くは、お金より、自社の仕事に当てはめて考える人と時間がないことです。この部分を社外の専門家と分けて進めるのが、AIコンサルです。

AIコンサルが支援できる領域

同じ資料で、AIを活用している事業者に部門ごとの状況を聞くと、「活用している」と答えた割合は次のとおりでした。

AIを活用している中小企業の、部門別の「活用している」割合
部門「活用している」の割合
バックオフィス部門(n=1,577)73.4%
営業・販売・顧客対応部門(n=1,605)68.2%
製造・生産管理・物流部門(n=1,210)57.2%

事務の仕事だけでなく、営業や現場の仕事でも使われています。AIコンサルが支援できる領域を、仕事の場面で分けると次のようになります。

AIコンサルが支援できる領域の例
領域AIに任せる作業の例コンサルと一緒に決めること
事務・経理請求書や受注メールの転記、議事録の下書き、社内の問い合わせへの回答どの書類から始めるか、誰が確かめてから使うか
営業・販売・顧客対応見積書や提案書の下書き、問い合わせへの返信の案、商談の記録の整理お客様に出す前の確認の手順、書いてはいけないことの決まり
製造・現場・物流日報や点検記録の整理、作業手順書の下書き、過去のトラブル記録の検索現場の言葉で使える形、紙の記録をどう取り込むか
経営・管理会議資料の要約、数字の資料の読み解き、社長の判断の基準の書き出し社長の手元に残す判断と、任せる作業の線引き
社内ルール・教育使ってよいツールと入れてはいけない情報の決まり、社員向けの研修会社の大きさに合うルールと、教える順番

一度に全部を扱う必要はありません。最初の1つは、毎週くり返す、書式が決まっている、間違えても社内で直せる、の3つがそろう仕事から選びます。受注メールの転記や議事録の下書きが、その例です。

AIコンサルを頼むメリットと効果

メリット1:自社の仕事に当てはめた「使いどころ」が分かる

一般的なAIの使い方ではなく、自社の見積書、日報、問い合わせの流れに当てはめて、どこをAIに任せるかを具体的に決められます。「活用する業務がイメージできていない」という一番多い悩みに、まっすぐ向き合えます。

メリット2:ツール選びで遠回りしにくい

新しいAIツールは次々に出てきます。特定のツールの販売を目的としない相手なら、そのツールが自社に要るかを、仕事に当てはめて一緒に判断できます。判断の基準は「このツールで、どの仕事の何分が減るのか」です。答えが出ないツールには、お金を払う前に立ち止まれます。

メリット3:社内ルールを公的な資料に沿って決められる

個人情報保護委員会は2023年6月2日、生成AIサービスの利用について注意を呼びかけました。事業者向けの注意点は次の2つです。

  • 個人情報を含む指示文を入れるときは、その個人情報の利用目的の範囲内かを十分に確かめる
  • 本人の同意なく個人データを入れるときは、提供する事業者がそのデータを機械学習に使わないことなどを十分に確かめる

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、2026年3月31日に第1.2版が公表されました。事業活動でAIを使う事業者を「AI利用者」と定め、チェックリストとワークシート(別添7)も公開されています。こうした資料を、自社の大きさに合う1枚のルールに落とし込むところまで、一緒に進められます。

メリット4:社長の時間を「判断」に使える

ツールの料金や機能を比べる表づくり、他社の使い方の下調べは、コンサル側が受け持てます。社長は定例の場で「この仕事から始めるか」「誰に任せるか」を決めることに集中できます。

AIコンサルの選び方

頼む相手を選ぶときは、初回の相談で次の点を確かめます。答えは、口頭だけでなく、紙やメールで残してもらうと比べやすくなります。

AIコンサルを選ぶときに確かめること
確かめること初回の相談で聞く質問の例
自社の仕事の話から始めるか「最初の打ち合わせで、何を聞かれますか?」
計画で終わるか、実行まで付き合うか「計画ができたあと、誰が、どこまで手伝ってくれますか?」
研修と開発をどう扱うか「社員の研修や仕組みづくりが必要になったら、別の契約ですか?」
月に何をしてくれるか「打ち合わせは月に何回、何分ですか?その間の質問はどうしますか?」
情報の扱い「渡した資料は、どこに保管され、誰が見ますか?」
できないことを言うか「AIに向かない仕事は何ですか?」

「何でもできます」と答える相手より、向かない仕事や、人の確認が要る場面を説明できる相手のほうが、見通しを立てやすくなります。

費用の決まり方と、見積もりの比べ方は、AIコンサルの費用で詳しく解説しています。

AIコンサルの導入ステップ

進め方は会社によって違います。ここでは、月ごとに続ける形を例に、区切りの目安を紹介します。期間はあくまで目安で、会社の大きさや仕事の量で前後します。

Step.1 最初の1か月:仕事の流れを聞き、任せる候補を書き出す

  • 社長と社内の担当者から、今の仕事の流れと、時間がかかっている仕事を聞く
  • 書き出した仕事を「作業」「確認」「判断」に分け、AIに任せられそうな作業に印を付ける
  • 効果を何の数字で確かめるかを決める

Step.2 2〜3か月目:1つの仕事で試し、ルールを決める

  • 効果が見えやすく、すぐ試せる仕事を1つ選び、AIで試す
  • 使ってよいツールと、入れてはいけない情報を1枚にまとめる
  • 試したやり方を、手順書の形で残し始める

Step.3 4か月目以降:結果を確かめ、広げるか決める

  • 決めておいた数字で結果を確かめ、続ける・広げる・やめるを決める
  • 次にAIに任せる仕事の順番を決める
  • 必要に応じて、社員向けの研修や、仕組みづくり(開発)に進む

AIコンサルを頼むときの注意点

注意点1:丸投げにしない

コンサルは社外の人です。社内で試す人、社員に声をかける人がいないと、打ち合わせで決めたことが進みません。社内の窓口を1人決め、打ち合わせには社長と窓口の担当者がそろって出ます。

注意点2:計画書ができただけで終わらせない

計画書は、出発点にすぎません。期間を区切って計画だけを頼むときは、実行を誰が担うのか、社内か、別の依頼先かを、先に決めておきます。

注意点3:情報を渡す前に、扱いを決める

見積書や顧客の情報を見せる前に、守秘義務、扱う情報の範囲、保存先を書面で決めておきます。顧客の個人情報を使わずに、仕事の流れだけを説明して相談することもできます。

注意点4:成果を約束する話をうのみにしない

自社の仕事を詳しく見る前に「必ずこれだけ減らせます」と言い切る話には、注意が必要です。どの仕事で、どの数字が、どう変わる見込みなのか、根拠を聞いて確かめます。

注意点5:AIの答えを、そのまま外に出さない

個人情報保護委員会も、生成AIの答えには不正確な内容が含まれることがある、と注意を呼びかけています。お客様に出す書類や数字の入った資料は、人が確かめてから使う手順を最初に決めます。

定着の仕組みづくり

中小企業庁の同じ資料には、ITツール(AIを含まない)を使った事業者の評価も載っています。「想定した効果が得られなかった」と答えた割合を、取り組みの有無で比べると次のとおりです。

ITツール(AIを含まない)活用で「想定した効果が得られなかった」割合
取り組み行っている行っていない
社員向けの研修や勉強会8.7%(n=2,276)19.1%(n=1,685)
ITツールの部門間の連携7.6%(n=3,045)34.8%(n=739)

AIを含まない数字です。それでも、道具を入れるだけでなく、使う人を育て、部署をまたいで進めると、効果が出やすいことが読み取れます。契約が終わったあとも社内で使い続けるために、次の4つを残します。

定着のための4つの仕組み

  • 手順書:AIに任せた仕事のやり方を、誰が読んでも同じようにできる手順書にする
  • 社内ルール:使ってよいツール、入れてはいけない情報、確かめる人を1枚にまとめる
  • 質問の窓口:社員が「この使い方で合っていますか?」と聞ける先を決め、よく出る質問を手順書に足していく
  • 月ごとの確認:作業時間や手直しの件数を月ごとに見て、続ける・広げる・やめるを決める

シス学の場合

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。株式会社むさしAI研修が提供しています。

シス学では、月ごとに続ける形のシス学 AIコンサルティングをご用意しています。次のものが含まれます。

  • 月1回の定例ミーティング(90分)
  • 月1回のオンライン壁打ち・相談会(60分)
  • 月内のチャット相談

社員向けのAI研修や、AIエージェントによる業務の自動化も、契約の時間の中で行います。どの仕事をAIに任せるかを決める相手と、研修や仕組みづくりを行う相手が同じなので、決めたことをそのまま実行に移せます。

定例では、1つの仕事を「作業(AI)・確認(社員)・判断(社長)」に分けて決めます。受注メールの転記を例にすると、次のとおりです。

受注メールの転記を「作業・確認・判断」に分けた例
任せ先受け持つ仕事中身
AI作業受注メールから品名・数量・納期を読み取り、受注表に転記する
社員確認元のメールと数量・納期を照らし合わせ、特注や急ぎなどの例外に対応する
社長判断値引きや納期の約束を決め、この仕事をAIに任せ続けるかを定例で決める

定例と壁打ちはオンラインで行い、全国に対応しています。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。自社に合うかどうかも、まずは30分の無料相談からお伝えします。相談のあとに無理な営業はしません。

まとめ

  • AIコンサルは、外部の専門家が、どの仕事にAIをどう使うかを社長と一緒に決め、使い続けるまでを支えるサービス
  • 頼み方は、期間を区切って計画をまとめる形と、月ごとに続けて実行まで支える形がある。何が手元に残るかで比べる
  • 中小企業がAIを使っていない理由の上位は、使う業務が見えない、進める人がいない、ルールがない。どれもコンサルが受け持てる
  • 選ぶときは、自社の仕事の話から始めるか、実行まで付き合うか、できないことを言うかを確かめる
  • 効果は約束ではなく、数字で確かめるもの。手順書とルールを社内に残し、コンサルがいなくても回る形をゴールにする

まずは、社長の1週間の仕事を書き出し、AIに下書きや転記を任せられそうな仕事に印を付けてみてください。印が付いた仕事が、AIコンサルと最初に話すテーマになります。

よくある質問

AIコンサルとは何ですか?

外部の専門家が会社の仕事と数字を見たうえで、どの仕事にAIをどう使うかを社長と一緒に決め、社内で使い続けられるまでを支えるサービスです。期間を区切って計画をまとめる形と、月ごとに続けて実行まで支える形があります。

AIコンサルとAI顧問の違いは何ですか?

呼び方は会社ごとに違い、決まった定義はありません。定例と日々の相談で続けて支える形をAI顧問と呼ぶ会社もあれば、同じ形をAIコンサルと呼ぶ会社もあります。言葉ではなく、月に何をしてくれて、何が手元に残るかで比べてください。

AIコンサルは、どのくらいの期間がかかりますか?

この記事の導入ステップでは、最初の1か月で任せる候補を書き出し、2〜3か月目で1つの仕事を試し、4か月目以降に広げるかを決める目安を紹介しました。会社の大きさや仕事の量で前後します。

AIコンサルの費用はどのように決まりますか?

打ち合わせの回数と時間、随時の相談の受け方、研修や開発を含むかどうか、契約の期間など、頼む範囲で決まります。シス学 AIコンサルティングには、月1回の定例(90分)、月1回の壁打ち(60分)、月内のチャット相談が含まれます。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。

AIに詳しい社員がいなくても頼めますか?

はい。詳しい社員がいないからこそ、社外の専門家に相談する意味があります。ただし、社内で試す窓口の担当者を1人決めておくと、打ち合わせで決めたことが進みやすくなります。

AIコンサルを頼めば、必ず成果が出ますか?

必ず成果が出るとは言えません。効果は、会社の仕事や進め方で変わります。始める前に、作業時間や手直しの件数など、何の数字で確かめるかを決め、月ごとに確かめながら進めることが大切です。

出典・参考

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