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【2026年最新】学習塾×生成AI 完全ガイド|保護者連絡・面談記録から教材づくり・講師研修まで活用事例とプロンプト6選

学習塾の事務や保護者への連絡の仕事にAIを取り入れるイメージ

「授業が終わってから、保護者への報告と面談の記録で夜が終わる。」「講師はほとんどが大学生のアルバイトで、教え方をそろえる時間が取れない。」個人塾や数教室の塾を経営する塾長から、よく聞く悩みです。

「大手の塾はAIで報告書や問い合わせ対応を減らしていると聞く。でも、子どもの名前や成績をAIに入れて大丈夫なのか?」という不安もあります。

この記事は、こんな悩みを持つ塾長に向けたガイドです。学習塾×生成AIの全体像、各社と国の実証の事例、そのまま使えるプロンプト6つ、未成年の情報・特定商取引法・著作権の注意、3段階の進め方までをまとめました。数字は国の資料、事例は各社の公式発表と文部科学省の報告資料で確かめたものだけを載せています。

自塾の仕事に当てはめた進め方を一緒に決めたい場合は、シス学 AIコンサルティングでもご相談を受けています。

学習塾が直面する構造的課題と生成AIの可能性

数字で見る学習塾の今:受講生は減り、売上は増え、講師の9割は非常勤

まず、国の統計で学習塾の今を確かめます。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」は、2004年から学習塾の売上高・受講生数・講師数を毎月集計してきました(2024年12月分で終了)。長期データの2024年の数字は次のとおりです。

数字で見る学習塾(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」長期データより)
項目数字読み方
売上高約5,517億円(2021年)→約5,934億円(2024年)。7.6%増受講料収入と教材の売上の合計
受講生数(毎月の人数の年間合計)約1,470万人(2021年)→約1,415万人(2024年)。3.7%減2024年12月の1か月では約125万人
受講生1人・1か月あたりの売上高約3万7,500円(2021年)→約4万1,900円(2024年)売上高を受講生数(年間合計)で割って計算
講師数(2024年12月)13万6,571人。うち非常勤講師12万2,114人(89.4%)、専任講師1万4,457人講師の約9割が非常勤

この統計の対象は、学習塾の年間売上高の概ね7割をカバーする売上高上位の企業です。大手を中心とした数字として読んでください。それでも傾向ははっきりしています。生徒は減り、1人あたりの単価で売上を保っている。教えているのは、ほとんどが非常勤の講師です。なお、2025年1月からは総務省の「サービス産業動態統計調査」に統合されています。

報告書を書く時間も「労働時間」:非常勤講師に任せるほど増える負担

厚生労働省と文部科学省の「学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表」は、準備や片付けの時間を労働時間として扱っているかを点検項目にしています。労働時間となる可能性がある例には、「学習塾等の講師が、授業以外に行う質問対応、報告書の作成等に要した時間」が挙がっています。「会社が出席を強制している教育、研修に参加する時間」も同じく例に入っています。

つまり、保護者への報告書や面談記録を書く時間、出席を求める講師研修の時間は、塾が賃金を払うべき時間になり得ます。講師の9割が非常勤の業界では、報告書1枚にかかる時間を減らすことが、人件費と講師の負担を減らすことにつながります。

AIの活用はまだこれから:省力化に投資した中小企業でも「取り組んだ」は約3割

中小企業庁の2026年版中小企業白書で、2019年以降に省力化の投資をした中小企業を見ます。AIの活用に「取り組んだ」のは30.3%(n=5,645、第2-2-87図)でした。学習塾だけの数字ではありませんが、7割はまだ手を付けていません。取り組んでいない理由は次のとおりです。

AIの活用に取り組んでいない理由(上位5つ、n=3,888、複数回答。2026年版中小企業白書 第2-2-92図)
理由割合
活用する業務がイメージできていない63.4%
活用を推進する人材が不足している40.0%
社内ルール・ガイドラインが整備されていない26.2%
セキュリティ・情報漏えいへの不安がある14.5%
必要な予算を確保できない13.8%

AIに取り組んだ会社の使い方を業種別に見ると、どの業種でも多いのは「文書作成、要約、校正」です。「業務自動化・効率化(RPA含む)」がこれに並びます(第2-2-90図)。保護者への報告や面談記録など、文書の仕事が多い塾でも試しやすい使い方です。

使い方を教えるかどうかでも、結果に差が出ています。AIに取り組んだ会社のうち、従業員向けのAIの研修会や勉強会をしている会社では、「想定した効果が得られなかった」は8.6%(n=920)でした。していない会社では16.1%(n=789)と、ほぼ2倍です(第2-2-91図)。講師が入れ替わりやすい塾ほど、使い方を教える仕組みが要ります。

学習塾ならではの3つの壁

  • 預かっているのが子どもの情報:名前、学校、成績、家庭の事情。どこまでAIに入れてよいかが決まっていないと、誰も使えないか、講師が自分の判断で使ってしまう
  • 講師が入れ替わる:大学生の講師は数年で卒業する。使い方を1人に教えても、塾に残らない
  • 間違いが許されない情報が多い:入試の日程や出願の条件、料金や解約の条件は、間違えると家庭に実害が出る

だからこそ、生成AIは「生徒に答えを教える道具」より先に、「講師と塾長が確かめる前提の下書き係」として使うと始めやすくなります。授業メモを保護者への報告の形に整える、面談のメモを記録にする、新人講師向けの手順書のたたき台を作る、といった仕事です。

学習塾における生成AIユースケース全体像

生成AIは、文章を読む・まとめる・書き直す仕事が得意です。塾の仕事を場面ごとに分けると、使いどころは次のようになります。

学習塾の仕事で生成AIを使える場面の例
場面AIに任せる作業の例人が必ず確かめること
保護者連絡月1回の学習報告の下書き、欠席・振替の連絡文、塾だより点数・出欠が記録と合っているか。家庭の事情に配慮した言い方か
面談記録三者面談のメモを記録に整える、次の面談までの約束を一覧にする保護者と約束したことが正しく書かれているか
事務・案内季節講習の案内文、入塾の案内、よくある質問への回答案料金・期間・解約の条件が契約書面と同じか
教材づくり小テストのたたき台、学校ごとのテスト範囲の整理、解説の言い換え問題と答えが正しいか。市販教材や過去問の写しになっていないか
講師の採用・研修新人講師向けの授業の手順書、保護者対応のロールプレイ台本、研修の確認テスト塾の方針や教え方と合っているか
集客・経営チラシや体験授業の案内文、保護者アンケートの集計、教室ごとの数字のまとめ合格実績などの表示が事実どおりか

文部科学省のガイドラインも、学校の先生の仕事に使う例を挙げています。「確認テスト問題のたたき台を作成する」「保護者会・授業参観・保護者面談の日程調整に活用する」「校内研修の資料のたたき台を作成する」などです。塾の仕事とほぼ重なります。講師ミーティングの記録は議事録をAIで作るやり方、講師の育て方は新人教育をAIで仕組み化するやり方でも、業種を問わない形で解説しています。

国内学習塾・教育事業者の生成AI活用事例

ここでは、各社のプレスリリースと文部科学省の報告資料で公表された内容だけを紹介します。数字は発表に書かれたとおりです。

明光義塾(明光ネットワークジャパン)|公式LINEに接客AIを入れ、入塾前の保護者の相談に24時間対応

明光ネットワークジャパンは2025年4月11日、個別指導塾「明光義塾」の公式LINEアカウントに、ZEALSの接客AIエージェントを導入したと発表しました。同社は「学習塾業界初」としています。「子どもに合った指導が受けられるか」「費用はどれくらいかかるのか」「どのような講師が教えているのか」といった入塾前の保護者の相談に、24時間応じます。過去の問い合わせ内容と、コンタクトセンターで使っているマニュアルをデータ化して回答に使っているのが特徴です。発表に削減時間の数字はありません。

個別指導学院サクシード|全教室の教室長・講師に教育向け生成AI、指導報告書の下書きにも

サクシードのグループ会社のみんがくは2026年6月8日、教育向け生成AI「スクールAI」を「個別指導学院サクシード」の全教室に導入すると発表しました。2026年6月から、全教室の教室長・講師へ展開します。講師向けには、生徒に合わせたオリジナル問題集の作成、授業準備、指導報告書の下書き作成などに使うとしています。背景として、講師不足と、教材準備・報告書作成といった業務の多さを挙げています。入力したデータはAIの再学習に使わない、生徒とAIの対話の記録を教室長や講師が確かめられる、といった管理の仕組みも示しています。削減時間の数字は発表にありません。

ベネッセコーポレーション|小テスト・単元末テストの素案作成と採点に生成AI(経済産業省「未来の教室」実証)

ベネッセコーポレーションは2023年12月1日、経済産業省「未来の教室」実証事業への参画を発表しました。生成AIで小テスト・単元末テストの設問と解答の素案を作り、採点にも使う取り組みです(首都圏の小学校で2023年11月〜2024年2月の予定)。先生は素案をもとに必要に応じて直すだけでテストを行え、生成された設問や解答が正しいかは先生がファクトチェックする流れにしています。同社は2023年4月から、グループ社員1.5万人に生成AIチャット「Benesse Chat」を導入しています。

文部科学省の実証(公立学校)|所見の素案づくりが約5日から2〜3日に

文部科学省は令和6年度、「次世代の校務デジタル化推進実証事業」で、先生が生成AIを使う実証を4市(石垣市・岩倉市・新座市・宝塚市)で行いました。情報が外に漏れないよう対策した環境で使っています。成果報告会の資料(令和7年3月7日)には、次のような先生の声が載っています。

実証で報告された例(文部科学省 成果報告会資料より)
仕事以前AIを使った後使い方
所見の素案づくり(10人程度)5日間程度2〜3日程度ノートにメモした生徒の様子を単語で入れ、所見の素案を作る
学校風土調査のアンケート分析1〜2時間程度添削も含めて20分程度5段階評価の結果をExcelにまとめて読み込ませ、課題と手立てを聞く

どちらも1人の先生の報告で、平均の数字ではありません。それでも、生徒の様子のメモから文章を作る仕事は、塾の指導報告書や保護者への報告とそっくりです。報告資料は「日本語の最終チェックは必ず教職員で実施する必要があります」とも書いています。

タオ|個人塾・小規模塾向けに、無料ツールでの活用事例集を公開

学習塾向けのICT教材「天神」を提供するタオ(滋賀県草津市)は2025年9月30日、「塾の生成AI活用事例集」を公開したと発表しました。対象は個人塾・小規模塾の経営者と塾講師です。ChatGPTなどの無料ツールを中心に、集客用のチラシ作成、学校ごとのテスト範囲の管理、保護者への連絡業務の使い方を、操作画面の画像つきで解説しています。

学習塾で使えるプロンプト6選

そのまま貼り付けて使える文例です。( )の中を自塾の内容に置き換えてください。生徒の名前・学校名・住所・電話番号は入れず、「生徒A」「B中学校」のように置き換えて試すのが基本です。

①【保護者連絡】授業メモから、月1回の学習報告を書く

②【面談記録】三者面談のメモを、記録と次の約束に整える

③【事務・案内】季節講習の案内文と、よくある質問の回答案

料金・解約の説明は、特定商取引法で決まっている部分があります(リスクの章で説明します)。AIの回答案をそのまま出さず、契約の書面と見比べてから使ってください。

④【教材づくり】単元の小テストのたたき台を作る

AIは計算や答えを間違えることがあります。配る前に、講師が全問を自分で解いて確かめます。

⑤【講師研修】新人講師向けの手順書と、保護者対応のロールプレイ台本

「要確認」と出た所が、塾長やベテランの頭の中にしかない決まりです。そこを埋めると、講師が入れ替わっても塾に手順が残ります。手順書の作り方はマニュアル作成にAIを使う方法でも解説しています。

⑥【アンケート】保護者アンケートの自由記述を分類する

どの文例でも、AIが作ったものは下書きです。点数、出欠、料金、入試の日程や条件は、必ず人が元の記録や公式の発表と照らし合わせてから使ってください。

学習塾×生成AIのリスクとガバナンスをどう設計するか

学習塾で特に気をつけたい4つのリスク

  1. 未成年の情報の持ち出し:生徒の名前、学校、成績、家庭の事情を、塾が認めていないAIサービスや講師の私用アカウントに入れてしまう
  2. もっともらしい間違い:入試の日程・出願の条件・配点、問題の答えを、AIがそれらしく間違える
  3. 料金・解約の説明の食い違い:AIが作った案内文や回答が、契約の書面と違うことを言ってしまう
  4. 教材の著作権:市販の問題集や過去問と同じか似た教材を作って配ってしまう

未成年の情報:個人情報保護委員会の考え方

個人情報保護委員会は2023年6月2日、生成AIサービスを使う事業者に注意を呼びかけました。個人情報を含む指示を入れるときは、利用目的の範囲内かを十分に確かめること。本人の同意なく個人データを入れ、それが回答を出す以外の目的で使われると、法律に違反するおそれがあること。入れるなら、提供者がそのデータを機械学習に使わないことなどを十分に確かめること、の3点です。

子どもの同意については、同委員会のQ&A(Q1-62)に次の記述があります。「一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられます」。具体的な年齢は、情報の項目や事業の性質によって個別に判断します。小中学生が中心の塾では、同意が要る場面は保護者からもらう、と考えておきます。入塾の申込書に書いている利用目的も、一度読み直しておきます。

料金と解約の案内:学習塾は特定商取引法の「特定継続的役務提供」

消費者庁によると、学習塾は、期間が2か月を超え、総額が5万円を超える契約で、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象になります。総額には入学金・受講料・教材費・関連商品などが入ります(浪人生だけのコース、幼稚園・小学校の受験対策は対象外)。決まりの主なものは次のとおりです。

学習塾に関わる特定商取引法の主な決まり(消費者庁の解説より)
決まり中身AIを使うときに確かめること
書面の交付(法第42条)契約前に概要書面、契約後に契約書面を渡す。クーリング・オフや中途解約の事項を書くAIで作る入塾案内やFAQが、書面と同じ内容か
誇大広告等の禁止(法第43条)著しく事実に相違する表示や、著しく優良・有利と誤認させる表示をしないAIが書いたチラシに、根拠のない合格実績や「必ず上がる」などが入っていないか
禁止行為(法第44条)勧誘や解約を妨げるときに、事実と違うことを告げない、故意に事実を告げないLINEやチャットの自動回答が、事実と違う説明をしていないか
クーリング・オフ(法第48条)書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で解除できる自動回答で「解約できない」などと答えない
中途解約(法第49条)塾が請求できる上限は、授業開始前は1万1,000円。開始後は、受けた授業の対価に、2万円か1か月分の授業料相当額の低い方を足した額解約の質問には、AIではなく担当者が書面を見て答える

教材と著作権:学校向けの例外は、塾にそのまま当てはまらない

著作権法第35条は、授業の過程で必要な限度なら、許諾なく著作物を複製できるとする決まりです。ただし対象は「学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)」です。営利の事業として運営している塾には、学校向けの解説にある「授業の過程なら使える」という考え方は、そのまま当てはまりません。AIで作った問題が市販の問題集や過去問と同じか似ていないかを、配る前に確かめます。

生徒がAIを使う学習は、文部科学省のガイドラインの範囲で

この記事は塾の事務と講師の仕事が中心です。生徒にAIを使わせる場合は、文部科学省のガイドライン(Ver.2.0、令和6年12月26日)が参考になります。正式な名前は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」です。学校の先生や教育委員会に向けた資料ですが、考え方は塾にも通じます。主な記述を原文のまま引用します。

  • 基本:「発達の段階や情報活用能力の育成状況に十分留意しつつ、リスクや懸念に対策を講じた上で利活用を検討すべきである。」
  • 利用規約:「年齢制限や保護者の同意の必要性、生成物のライセンスの所在など、生成AIサービスの提供者が定める最新の利用規約を確認し、遵守する必要がある。」
  • 小学生:「小学校段階の児童が直接利活用することについては、発達の段階等を踏まえたより慎重な見極めが必要である。」
  • 個人情報:「プロンプトに氏名や写真等の個人情報を入力させないよう留意する。」
  • 不適切と考えられる例(一部):「定期考査や小テスト等で使わせる」「児童生徒の学習評価を、教師が判断せずに生成AIからの出力をもって行う」
  • 相談(不適切と考えられる例):「教師が専門性を発揮し、人間的な触れ合いの中で行うべき教育指導を実施せずに、生成AIのみに相談させる」
  • 保護者:「保護者に対しても、生成AIの利活用目的やその態様等の情報を提供することが重要である。」

先生が自分の仕事に使う場面については、同じガイドラインに次の記述があります。「生成された内容の適切性を判断できる範囲内で利用するという前提で、校務において生成AIを積極的に利活用することは有用であると考えられる」。あわせて、適切なセキュリティ対策が講じられた環境で運用している場合を除き、「プロンプトに重要性の高い情報である成績情報等を入力してはならない」としています。

塾のルールに入れたい6つのポイント

  • 使ってよいAIサービス:塾が契約したサービスとアカウントだけを使う。講師の私用アカウントは使わない
  • 入れてはいけない情報:生徒・保護者の名前、学校名、住所、電話番号、成績の一覧、家庭の事情を具体的に書く。使うときは「生徒A」に置き換える
  • 人が確かめる文書:保護者に出す報告、面談記録、配る問題は、必ず講師か教室長が読んでから出す
  • AIに答えさせない質問:料金・返金・解約・振替・入試の条件は、担当者が書面や公式の発表を見て答える
  • 教材の出どころ:市販の問題集や過去問を読み込ませて作った教材は、配ってよいかを確かめる
  • 困ったときの連絡先:間違えて生徒の情報を入れたときに、誰に、すぐ何を伝えるかを決めておく

ルールは1枚にまとめ、講師の採用のときに説明して同意をもらいます。ひな形は生成AIの社内ルールの作り方で紹介しています。

学習塾のための3段階導入ロードマップ

期間は目安です。教室の数や、講師がAIを使った経験によって前後します。講習の時期は忙しいので、通常授業の時期に始めると試す時間が取れます。

段階1:生徒の情報を使わない文書から始める(0〜3か月)

  • 使ってよいAIサービスと、入れてはいけない情報を1枚のルールにまとめる
  • 塾長か教室長が自分で、講習の案内文、講師ミーティングの記録、新人講師向けの手順書(プロンプト③⑤)を試す
  • 試す前と後で、1件あたりにかかる時間を記録しておく

段階2:保護者への報告・面談記録・教材へ広げる(3〜6か月)

  • 名前を置き換えるルールを決めたうえで、保護者への報告(プロンプト①)、面談記録(プロンプト②)、小テスト(プロンプト④)に広げる
  • うまくいった文例を「塾の文例集」にまとめ、講師全員が同じ形で使えるようにする
  • 講師向けの研修を、勤務時間の中で短く行う(会社が出席を強制している研修は、労働時間となる可能性があります)

社員の研修は、内容や進め方によっては国の助成金の対象になることがあります。ただし対象は雇用保険の被保険者です。週20時間未満で働く人や、大学などに通う学生(定時制の課程や休学中の人などを除く)は、雇用保険の対象外です(雇用保険法第6条、同法施行規則第3条の2)。学生講師の研修は対象にならないことが多いと考えておきます。対象になるかどうかは労働局の審査で決まります。条件はAI研修に使える助成金で解説しています。

段階3:記録をつなぎ、AIエージェントで流れにする(6か月〜)

  • 授業メモ・小テストの点・出欠をそろえた形で残し、報告の下書きが毎月同じ形で出てくるようにする
  • よくある質問とその答え、マニュアルを文字にしてまとめ、問い合わせの一次対応に使えるか検討する(料金・解約は人が答える)
  • 月ごとに作業時間や手直しの件数を確かめ、続ける・広げる・やめるを決める

シス学の場合

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。株式会社むさしAI研修が提供しています。

シス学では、仕事を「作業・確認・判断」に分けて考えます。学習塾の代表的な書類である、保護者への月1回の学習報告に当てはめると、次のようになります。

保護者への学習報告を「作業・確認・判断」に分けた例
任せ先受け持つ仕事保護者への学習報告では
AI作業(入力・転記・照合・下書き)講師の授業メモ、小テストの点、出欠を集めて、報告の下書きを作る。先月より点が下がった生徒、欠席が続く生徒を一覧にする
社員(講師・教室長)確認(AIの結果を確かめ、例外に対応)点数と出欠を記録と照らし合わせる。家庭の事情や生徒の性格に合わせて言い方を直す
社長(塾長)判断(方針・金額・最終の決定)面談を早めに入れる家庭を決める。コースや回数の変更、講習を勧めるかどうかを決める

塾長に集まっていた報告の下書きと確認を、AIと講師に渡すことで、塾長が教室にいなくても回る時間をつくります。どの仕事から始めるかの順番づくり、塾のルール、文例集づくり、記録から報告の下書きを出す仕組みまでを、シス学 AIコンサルティングで月ごとに一緒に進めます。月1回の定例ミーティング(90分)と壁打ち・相談会(60分)、月内のチャット相談で進め、オンラインで全国に対応しています。

講師や教室長向けには、シス学 AI研修をご用意しています。保護者への報告、面談記録、小テストなど、塾で毎日書いている文書を題材に、AIで下書きを作って確かめるところまで練習します。

まずは30分の無料相談から。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。日時を選んで無料相談を予約できます。

まとめ:学習塾×生成AIは「生徒の情報を守る決まり」を先に作り、保護者への報告1枚から始める

  • 学習塾の受講生数(年間合計)は2021年の約1,470万人から2024年は約1,415万人に減り、売上高は約5,934億円に増えた。講師の89.4%は非常勤(経済産業省の統計、売上高上位の企業が対象)
  • 報告書の作成や、出席を強制している研修の時間は、労働時間となる可能性がある。報告1枚の時間を減らすことが、人件費と講師の負担を減らすことにつながる
  • 事例は、明光義塾の公式LINEの接客AI、サクシードの指導報告書の下書き、ベネッセのテスト素案、文部科学省の実証(所見の素案が約5日→2〜3日)など。数字はそのまま自塾に当てはめない
  • 未成年の情報は名前を置き換え、同意が要る場面は保護者から。料金・解約の案内は特定商取引法の書面と合わせ、AIに答えさせない。教材は著作権を確かめる
  • 0〜3か月は生徒の情報を使わない文書、3〜6か月で報告・面談記録・教材へ、6か月〜で記録をつなぐ。効果は数字で確かめる

まずは今月、保護者への報告を1人分だけ、名前を「生徒A」に置き換えた授業メモからプロンプト①で下書きしてみてください。いつも書いている報告と比べて、かかった時間と直した所を書き留めることが、自塾に合う使い方を見つける一歩目になります。

よくある質問

個人塾でも、生成AIは使えますか?

使えます。大手のような専用のシステムがなくても、講習の案内文、新人講師向けの手順書、保護者への報告の下書きなど、文書の仕事から始められます。ただし、点数・出欠・料金・入試の条件は、必ず人が元の記録や公式の発表と照らし合わせてから使ってください。

生徒の名前や成績をAIに入れても大丈夫ですか?

塾が認めたAIサービスで、入力した情報がどう扱われるか(機械学習に使われないかなど)を確かめるまでは、入れないでください。試すときは「生徒A」のように置き換えます。個人情報保護委員会は、子どもの同意が要る場面では、一般的に12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて法定代理人等から同意を得る必要があるとしています。

保護者からの料金や解約の質問に、AIで自動回答してもよいですか?

おすすめしません。学習塾は、期間が2か月を超え、総額が5万円を超える契約で特定商取引法の対象になり、クーリング・オフや中途解約の上限などが決まっています。事実と違う説明をすると問題になるため、料金・返金・解約の質問は、担当者が契約の書面を見て答える形にしておきます。

生徒にAIを使わせてもよいですか?

文部科学省のガイドライン(Ver.2.0)は、発達の段階や情報活用能力の育成状況に十分留意し、リスクや懸念に対策を講じたうえで利活用を検討すべきだとしています。年齢制限や保護者の同意など、サービスの利用規約を確かめることも求めています。小学生が直接使うことには、より慎重な見極めが必要とされています。

講師のAI研修に、助成金は使えますか?

研修の内容や進め方によっては、国の助成金の対象になることがあります。ただし対象は雇用保険の被保険者で、大学などに通う学生講師(定時制の課程や休学中の人などを除く)や週20時間未満で働く講師は、雇用保険の対象外です。受給できるかどうかは労働局の審査で決まるため、日程を決める前に労働局か社会保険労務士に確かめてください。

出典・参考

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