AI導入公開

AI導入の稟議書の書き方|通すための7ステップと、そのまま使える文例

打ち合わせの机で、経営者と担当者が稟議書の下書きを見ながら、費用と進め方を確かめている様子

「AIを試したいので稟議を出したら、『情報は漏れないのか』『いくらまで増えるのか』『誰が面倒を見るのか』と聞かれて、差し戻しになった。」AI導入の稟議では、よくあることです。決裁する人は反対しているのではなく、書類の中に答えが見つからないので、判を押せないだけです。

この記事では、決裁する人の問いに先回りして答える稟議書の書き方を、7つのステップで説明します。〔 〕を埋めれば使える文例、AIに下書きさせるプロンプト、補助金を使うときの順番も載せています。効果の数字の出し方はAI導入の費用対効果で、試行の進め方から一緒に組み立てる頼み方はAIコンサルティングのページで紹介しています。

稟議が止まる理由|決裁する人の問いに、書類が先に答えていない

稟議は、起案した人がいない場で、決裁する人が書類だけを見て判断する仕組みです。口で説明すれば分かることでも、書類に書いていなければ「確認してから」と戻されます。だから稟議書は、決裁する人が抱く問いを先に並べ、その答えを1つずつ書いておく書類にします。

その問いは、調査の数字に出ています。中小機構の調査で、AIの導入を予定・検討している中小企業(300社)が挙げた導入の壁のうち、主なものは次のとおりです(複数回答)。右の列は、この記事のどのステップで答えるかを示しています。

AI導入の壁と、稟議書で答える場所(中小機構の実態調査 37ページ 表8、AIの導入を予定・検討中の300社、複数回答)
導入の壁割合決裁する人の問い答えるステップ
導入にあたっての高コスト61.0%いくらかかり、いくらまで増えるのかステップ4(費用を3つに分け、上限を書く)
社内のAIノウハウ不足59.3%誰が使い方を教え、誰が面倒を見るのかステップ6(体制と担当を名前で書く)
社内のAI人材不足53.7%担当者の本業は回るのかステップ6
導入の必要性や効果が不透明24.3%なぜ今、何のために入れるのかステップ1・3(目的と効果の数字)
セキュリティ・情報漏洩の懸念22.0%会社や顧客の情報は漏れないのかステップ5(情報の扱いとリスク対策)
成功事例・活用事例の不足20.7%本当に自社で効くのかステップ2(小さな試行で自社の数字を作る)
社内の検討・承認に時間がかかる13.0%(決裁そのものが止まる)ステップ7(決裁の前に1人ずつ聞く)

情報漏えいの心配は、壁として挙げなかった会社にもあります。同じ調査(22ページ 図35、1,645社)では、AI・ITの導入にあたってのセキュリティや情報漏洩について聞いています。「強い懸念がある」は21.6%、「多少懸念がある」は53.6%でした。合わせて75.2%、4社に3社が懸念を持っています。だから、どの稟議書にも情報の扱いの欄を入れます。

稟議書を書く7つのステップ|決裁する人の問いの順に、1項目ずつ埋める

ステップ1:目的を、ツールの名前ではなく「何が変わるか」の1行で書く

件名と目的に「生成AIの導入」「ChatGPTの利用」と書くと、決裁する人は「入れて何が変わるのか」をもう一度聞くことになります。目的は、対象の業務と、変わった結果を1行で書きます。結果は、売上・時間・ミスのどれかにつながる言葉にします。

目的の書き方(差し戻されやすい書き方と、通りやすい書き方)
差し戻されやすい書き方通りやすい書き方
生成AIを導入し、業務を効率化する見積書の下書きをAIで作り、見積の返事を「翌日」から「当日」にする
ChatGPTを全社員が使えるようにする営業3名の日報と議事録の作成時間を減らし、訪問件数を週〔 〕件増やす
DXを推進するため、AIツールを試す問い合わせメールの一次回答の下書きをAIで作り、返信までの時間を〔 〕時間以内にする
競合もAIを使っているので、遅れないようにする〔業務〕の手順をAIに覚えさせ、担当者が休んでも同じ品質で回るようにする

ステップ2:本導入ではなく「1業務・1部署・3か月の試行」として出す

最初の稟議は、全社導入ではなく試行として出します。金額が小さければ、決裁の段階が少なく済む会社が多いはずです。「判断する日」が決まっていれば、決裁する人は「3か月で止められる」と分かります。自社の数字がないうちは「本当に効くのか」に答えられないため、その答えを作るための試行だと書きます。

全社導入で出す稟議と、試行で出す稟議の違い
項目全社導入で出す試行で出す
対象全社員・全業務1部署・1業務(例:営業3名の見積書)
期間期限なし(年契約)3か月。判断する日を書く
金額全員分の年額試す人数分の月額×3か月と、初期の設定・研修
効果の根拠他社の事例自社の入れる前の数字と、3か月後の同じ測り方の数字
決裁する人の不安一度に大きく払って、使われなかったら困る3か月で止められる

ステップ3:効果の欄には、入れる前の自社の数字と、測り直す日を書く

効果の欄で差し戻される理由は、数字がないことより、数字の根拠がないことです。他社の事例の「〇割削減」は、業務の量も人も違うので、根拠として通りません。書くのは次の3行です。計算式と仮の数字の試算はAI導入の費用対効果にまとめているので、その結果を貼ります。

  • 入れる前の数字:担当者が1週間つけた記録(例:見積書は週17件、1件平均45分、差し戻し週3件)
  • 見込み:減る時間と、そのうち残業代や外注費として実際に減るお金を分けて書く
  • 測り直す日:試行の3か月目の終わりに、同じ記録表で1週間測る

ステップ4:費用を「初期・毎月・社内の手間」の3つに分け、上限を書く

費用に月額の利用料だけを書くと、あとから研修や担当者の時間が出てきて、追加の稟議になります。最初から3つに分け、毎月の費用には「これを超えたら止める」上限を書きます。法人向けの生成AIの公開料金と、税・為替の書き方は法人向け生成AIの料金比較で比べています。

稟議書に書く費用の分け方
費用の種類書く中身添付する根拠
初期費用設定・初期の研修・外部の支援見積書(税込・税別の別を書く)
毎月の費用利用料(席数×単価)、使った量で増える料金公式の料金ページの印刷(確認日を書く)。ドル建てなら為替の前提も
社内の手間推進担当の時間、確認する人の時間、勉強会の時間「月〔 〕時間」と書き、本業から外す時間を部署長と合意しておく
上限毎月の費用の上限額と、超えたときの扱い「月〔 〕円を超えたら利用を止め、報告する」の1行

ステップ5:入力しない情報と、学習に使われない根拠を書く

「情報漏えいの心配はありません」と一言で書くと、根拠を聞かれて止まります。書くのは、入力しない情報の一覧、使うプランのデータの扱い(公式ページの記述)、AIの答えを誰が確かめるか、の3つです。

個人情報保護委員会は、事業者が本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力する場合に注意を促しています。そのデータが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるとしています。そのため、入力するなら、サービスの提供者がそのデータを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。稟議書には、この確認の結果として、使うプランの公式ページを添付します。

法人向けプランのデータの扱い(各社の公式ページの記述。2026年10月23日に確認)
会社・対象公式ページに書かれていること公式ページ
OpenAI:ChatGPT Business・Enterprise、API など既定では、ビジネスデータ(入出力)をモデルの学習に使わない。データ共有に明示的に同意した場合は、学習に使うことがあるOpenAI「エンタープライズプライバシー」
Anthropic:Claude for Work、Anthropic API などの商用製品既定では、入力・出力をモデルの訓練に使わない。評価ボタンでフィードバックを送った場合などは、訓練に使うことがあるAnthropic Privacy Center
Google:Google Workspace の生成AIお客様のデータは、人がレビューすることも、許可なくドメインの外で生成AIモデルのトレーニングに使うこともないGoogle Workspace の生成AIに関するプライバシー ハブ
Microsoft:Microsoft 365 Copilot(Microsoft Learn では Microsoft Copilot に名付けられたとある)プロンプト・応答・Microsoft Graph 経由のデータは、基礎のLLMのトレーニングに使わないMicrosoft Learn「Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ」

「既定では」の例外も稟議書に書きます。Anthropic は、会社向けでも評価ボタン(高評価・低評価)で送った会話は最長5年保存され、訓練に使うことがあると説明しています。管理者は評価ボタンをオフにできます。稟議書には「評価ボタンはオフにする(または押さない)」と1行入れます。

個人向けの無料・有料プランは、法人向けとデータの扱いが違うことがあります。稟議書には「使うプランの名前」まで書き、社員が個人のアカウントで業務の情報を入れないことも、入力しない情報の一覧と一緒に書きます。一覧の作り方は生成AIの社内ルールの作り方で解説しています。

稟議書に書く「入力しない情報」の例
区分例試行中の扱い
入れないお客様・社員の氏名や連絡先、マイナンバー、健康の情報、取引先から秘密として受け取った資料、パスワード「A社」「担当者B」のように置き換えてから使う
確認してから入れる未公表の売上・原価、見積の金額、社内の人事の情報推進担当に聞いてから。法人向けプランの中だけで使う
入れてよい公開している商品の説明、社内の手順書(個人名を除いたもの)、一般的な文面の下書き使ってよい。AIの答えは必ず人が確かめる

ステップ6:体制と担当を、役割ではなく名前で書く

中小企業では、AIを進める専門の部署や担当者がいないのが普通です。中小機構の調査(22ページ 図33・34)では、AI・ITの推進に「特定の部署はなく、経営者・現場が個別に推進している」が88.0%でした(1,605社)。専任の担当者がいる会社は3.0%です(1,568社)。だから稟議書では「推進担当」と役割で書くのでなく、名前と、そのために使う月の時間まで書きます。

稟議書に書く体制(例)
役割書く中身例
責任者続ける・やめるを決める人営業部長〔氏名〕
推進担当設定、使い方の質問の窓口、記録表の集計(月〔 〕時間)営業課〔氏名〕
確認する人AIの下書きを、社外に出す前に確かめる人見積書は課長〔氏名〕、メールは各担当
研修いつ、誰が、何を題材に教えるか試行の1週目に2時間。自社の見積書を題材にする
報告誰に、いつ、何を報告するか毎月末に、件数・時間・費用を責任者へ。3か月目に社長へ

ステップ7:決裁の前に、判を押す人に1人ずつ質問を聞いておく

稟議が回り始めてから質問が出ると、そのたびに戻って書き直しになります。回す前に、判を押す人に「AIを試すとしたら、何が気になりますか」と1つだけ聞き、その答えを書き込んでから回します。よく出る質問と、答える場所は次のとおりです。

決裁する人がよく聞く質問と、稟議書で答える場所
聞く人よく聞く質問稟議書で答える場所
社長何が変わるのか。いつ、続けるかどうかを決められるのか目的の1行、判断する日と続ける条件
経理いくらまで増えるのか。税込か税別か。ドル建てか。どう払うのか費用の3つの分け方、上限、公式の料金ページの写し
情報システム・総務情報はどう扱われるのか。アカウントは誰が管理し、退職者はどう止めるのか入力しない情報の一覧、公式ページの写し、推進担当の名前
現場の責任者誰の仕事が増えるのか。本業の時間は減らないのか社内の手間(月の時間)、研修の日時、確認する人
法務・顧問利用規約は確認したか。顧客との契約で、外部のサービスに情報を出すことが禁じられていないか利用規約の確認日、入力しない情報の一覧

補助金を使う場合:交付決定の前に契約・発注しない順番で、稟議を2回に分ける

補助金を使う場合は、稟議の順番が変わります。デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の公募要領は、交付決定の前にITツールを契約・発注した場合は補助の対象にならないとしています(27ページ)。交付決定の前に契約・発注・納品・支払い等をした場合も、補助金を受けられません(32ページ)。

補助金を使うときの稟議の順番(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の公募要領 17ページ「補助事業の流れ」から)
順番補助金の手続き社内の稟議
1GビズIDプライムの取得、ITツールの選定・商談・見積の依頼(契約ではない)1回目の稟議:申請してよいか(申請の手間、自社の負担額、補助が出なかったときにどうするか)
2交付申請の作成・提出—
3交付決定2回目の稟議:契約・発注・支払いをしてよいか(交付決定の通知を添付)
4ITツールの契約、導入、代金の支払い(交付決定から6か月程度の期間内)代金は会社が先に全額を払う。支払いは原則、銀行振込かクレジットカードの1回払い
5実績報告の提出、補助金の額の確定・交付報告:効果の数字と、受け取った補助金の額

1回目の稟議には、「補助が出なかったら、自社のお金だけでも試すか」を必ず書きます。補助は審査で決まるので、出る前提で組むと、出なかったときに試行そのものが止まるからです。制度は公募の回ごとに変わることがあるので、申請の前に最新の公募要領を確かめます。制度のしくみと日程はAI導入に使える補助金で、社員研修の費用に使う助成金はAI研修の助成金で解説しています。

そのまま使える稟議書の文例|〔 〕を埋めれば、決裁に出せる1枚になる

7つのステップを1枚にすると、次のようになります。〔 〕を自社の言葉と数字に置き換えてください。社内の稟議の様式がある場合は、様式の欄に合わせて項目を移します。

AI導入(試行)の稟議書の文例
項目文例
件名〔業務〕へのAIの試行導入(〔部署〕、〔3〕か月)について
目的〔業務〕の下書きをAIで作り、〔変わる結果:例 見積の返事を当日にする〕ことを目的とします。
現状と課題〔部署〕の〔業務〕は週〔 〕件、1件平均〔 〕分かかり、残業の〔 〕時間の主な原因です(〔日付〕〜〔日付〕の記録)。
試行の内容対象は〔部署〕の〔 〕名、使うのは〔サービス名とプラン名〕です。期間は〔開始日〕〜〔終了日〕です。
費用初期費用〔 〕円(税〔込・別〕)、毎月〔 〕円×〔3〕か月(税〔込・別〕)、社内の手間 月〔 〕時間。毎月の費用の上限は〔 〕円とし、超えた場合は利用を止めて報告します。
効果の見込み1件〔 〕分を〔 〕分以下にすることを目指します。減る時間は月〔 〕時間、そのうち残業代として減る見込みは月〔 〕円です(計算は別紙)。
情報の扱い別紙の「入力しない情報」は入力しません。使うプランは、既定でモデルの学習に入力を使わないと公式ページに記載があります(別紙、〔確認日〕に確認)。
AIの答えの確認AIが作った下書きは、社外に出す前に〔確認する人〕が確かめます。AIの答えをそのまま社外に出すことはしません。
体制責任者〔氏名〕、推進担当〔氏名〕(月〔 〕時間)、研修は〔日付〕に〔 〕時間。
判断する日と条件〔日付〕に、同じ記録表で1週間測り直します。1件〔 〕分以下なら続けて〔次の業務〕に広げ、届かない場合は〔1か月延長/終了〕とします。
補助金・助成金〔使わない/使う場合は制度名。交付決定の前には契約・発注しません〕
添付入れる前の記録表、見積書、公式の料金ページ、データの扱いの公式ページ、入力しない情報の一覧

下書きはAIに作らせることができます。次のプロンプトは〔 〕を埋めて貼ります。お客様や社員の名前、未公表の金額は入れず、「A社」「〔 〕円」のまま使ってください。AIは、書いていない数字をもっともらしく補うことがあるので、どのプロンプトにも「書いていないことは〔要確認〕と書く」という一文を入れています。

プロンプト1:稟議書の下書きを作る

プロンプト2:決裁する人の質問を予想して、抜けを探す

プロンプト3:社長が1分で読める要約を作る

よくある失敗|通った稟議が、3か月後に止まる書き方

差し戻される書き方と、通っても3か月後に止まる書き方を、直し方と並べました。左の列に当てはまる所があれば、右の列のとおりに直してから回します。

AI導入の稟議でよくある失敗と直し方
失敗起きること直し方
目的がツールの名前(「ChatGPTを導入したい」)何が変わるのか聞かれ、差し戻される業務と、変わる結果を1行で書く
最初から全社員分で出す金額が大きく、決裁の段階が増えて時間がかかる1部署・1業務・3か月の試行で出す
「情報漏えいの心配はない」と一言だけ書く根拠を聞かれて止まる入力しない情報の一覧と、データの扱いの公式ページを添付する
費用に毎月の利用料だけを書く研修や担当者の時間があとから出て、追加の稟議になる初期・毎月・社内の手間の3つに分け、上限を書く
担当を「推進担当」とだけ書く誰も時間をとれず、使われないまま更新日が来る名前と月の時間を書き、部署長と合意する
判断する日を書かない効いたかどうかを誰も決めず、契約だけが続く3か月目の終わりの日付と、続ける条件を書く
補助金を前提に、交付決定の前に契約する補助の対象にならない申請と契約の稟議を2回に分ける

シス学の場合|稟議を受け取ってから決めるまでを「作業・確認・判断」に分ける

シス学(システム経営学)は、AIエージェントを活用し、会社を「儲かるシステム」につくり変える経営学です。稟議では、社長に集まっていた下書きや確認をAIと社員に渡し、社長は決めることだけに時間を使う形をめざします。

シス学のAIコンサルティングでは、試行する業務を決めるときに、稟議に書く上限・判断する日・入力しない情報も一緒に決めます。AI導入の稟議を受け取ってから決めるまでの仕事は、次のように分けます。

AI導入の稟議を受け取ってから決めるまでの仕事の分け方(例)
受け持つ人仕事中身
AI作業担当者のメモから稟議書を下書きし、決裁する5人の立場で質問を出して、答えが書かれていない項目を一覧にする
社員確認見積書と公式の料金ページの金額・税の表示・確認日、データの扱いの公式ページ、入力しない情報の一覧が現場の実際の書類と合っているかを確かめる
社長判断試行の範囲、毎月の上限額、判断する日、入れない情報の線引きを決め、判を押す

試行に参加する社員が自社の書類を題材に使い方を覚える場は、シス学のAI研修で用意しています。料金は、対象の業務と体制をお聞きしたうえで、無料相談でご案内します。稟議に何を書けばよいかの整理も含めて、まずは30分の無料相談からご相談ください。

まとめ

  • 稟議が止まるのは、決裁する人の問いに書類が答えていないから。AIの導入を検討中の中小企業が挙げる壁は、高コスト61.0%、ノウハウ不足59.3%、人材不足53.7%、効果が不透明24.3%、情報漏洩の懸念22.0%
  • 目的はツールの名前でなく「何が変わるか」の1行にし、最初は1業務・1部署・3か月の試行で出す
  • 効果は入れる前の自社の数字と測り直す日を書き、費用は初期・毎月・社内の手間に分けて上限を書く
  • 情報の扱いは、入力しない情報の一覧と、使うプランのデータの扱いの公式ページで答える
  • 担当は名前と月の時間で書き、回す前に判を押す人へ1人ずつ質問を聞く。補助金を使うなら、申請と契約の稟議を分ける

まずは明日、稟議に判を押す人に「AIを試すとしたら、何がいちばん気になりますか」と1つだけ聞いてみてください。その答えを、上の文例の当てはまる欄に書き込んでから回します。導入の進め方全体は中小企業のAI導入の進め方にまとめています。

よくある質問

AI導入の稟議書には、何を書けばよいですか?

中心は、目的(何が変わるか)、現状と課題(入れる前の数字)、試行の内容、費用(初期・毎月・社内の手間と上限)の4つです。これに効果の見込み、情報の扱い、AIの答えの確認、体制、判断する日と条件、添付資料を足した10項目ほどです。この記事の文例の〔 〕を埋めると1枚になります。

稟議書をAIで書いてもよいですか?

下書きには使えます。お客様や社員の名前、未公表の金額は入れず、「A社」「〔 〕円」のように置き換えて使います。AIは書いていない数字を補うことがあるので、数字と名前は必ず人が確かめ、使うプランのデータの扱いも公式ページで確認してください。

無料のAIで試してから稟議を出すべきですか?

会社の情報を入れない題材(公開している商品の説明など)で操作に慣れるのはよい方法です。ただし個人向けのプランは、法人向けとデータの扱いが違うことがあります。業務の書類を使う試行は、データの扱いを公式ページで確かめた法人向けのプランで、稟議を通してから始めます。

「情報漏えいは大丈夫か」と聞かれたら、どう答えますか?

入力しない情報の一覧、使うプランがモデルの学習に入力を使うかどうかの公式ページの記述(確認日つき)、AIの答えを社外に出す前に誰が確かめるか、の3つを示します。個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データを入力する場合、提供者がそのデータを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。

社長が1人で決める小さな会社でも、稟議書は要りますか?

様式は要りませんが、1枚にまとめることはおすすめします。3か月後に続けるかどうかを決めるときの比べる元になり、担当者が替わっても、目的と入力しない情報が会社に残るからです。

補助金を使う場合、いつ契約してよいですか?

デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の公募要領では、交付決定の後です。交付決定の前に契約・発注・支払い等をした場合は補助金を受けられません。社内の稟議は、申請してよいかと、交付決定後に契約してよいかの2回に分けます。補助は審査で決まり、受けられるとは限りません。

出典・参考

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